昨日、くりりんとお休みが一緒だったので、朝からキヨちゃんのお手伝いをした。私はご近所に相談をされている事があったので、途中抜けたりもした。くりりんは、崩れかけた場所の補強をするために、杭を打って、この前私が運んできた木をはめこむ作業をしたのだが、そこに使う杭は昔使っていた手すりを利用。そのために鉄の棒は、機械でくりりんが切断した。

昼からは、二人で新居浜まで出掛けた。と言うのも、キヨちゃんが台所のシステムキッチンを新調したいと言い出したからだ。元々シンクは私が学生の頃台所リフォームで入れたので、30年選手である。その間、一度はコンロは入れ替えているが、それでも今のコンロがぼろぼろで、上のつり戸棚は別としても、シンクとコンロと換気扇は換えたいな…という事になったのだ。
そこで、いつもお願いしている大工さんにパンフレットを貰ったのだが、こういうものは実際に観た方がいいと言う従兄の意見もあって、ショールームを訪ねたのだ。
実際行ってみると、パンフレットでは分からない事が沢山あり、丁寧な説明やシュミレーション、見積もりまで出してもらえた。何より、色々考える事が楽しくてウキウキした。
そして、写真も撮ったりして、キヨちゃんにきちんと説明できるように段取りして戻った。夕飯は何か買って帰るから、18時頃には戻るからと伝えていたのに、戻ってみると空腹だったらしいキヨちゃんは、待てずに先に食べ始めていた。
いつも待たずに食べろと言っても、残業する私を持つのでしんどいのに、こんな時まだ早い時間なのに、待って欲しい時は待たないのだから、勝手である。とりあえず、急いで刺身などを並べて一緒に食事にした。
食事中、観てきたショールームの話をして、見積もりを伝える。そして、いずれは私が使うのだし、私たちも半額出すと言う話で互いに納得していた。
その辺りまでは、新しいリフォームの事で二人ともウキウキ気分だったはずだ。ところが、キヨちゃんの不用意な一言で場の空気は悪くなった。
今までも、家のリフォームなどの時は、従兄に相談していた。と言うのは、従兄は一級建築士で知識もあり、当時は父を亡くした後で、キヨちゃんとしても身内に相談できる人がいなかったのだ。勿論、父側の親戚にも建築に携わっている人はいて、何度もお世話になっているが、キヨちゃんは自分の甥の方が話しやすかったこともあるだろう。
その従兄に、今回も色々相談していたのだが、突然キヨちゃんはその従兄に幾ばくかのお金を残したいと言い出したのだ。
いや、実は以前から世話になった従兄に、少しお金を残したいと言う話はキヨちゃんはしていて、私も了解済みだ。勿論キヨちゃんのお金なのだし、従兄が迷惑でなければ、それはそれでいいと思っている。ただ、今回はお金の事ではなく、
「母ちゃんが死んだ後も、家の事は○○(従兄)に任せたい。」
というような趣旨の事を言いだしたのだ。
おそらく始まりは、キヨちゃんも私が一人の時から先々を心配して、自分が死んだ後も相談できる人を置いてやりたいと思っての事だったと思う。しかし、今は私もくりりんがおり、相談相手ならまだしも、任せるのは従兄ではなく私やくりりんでなくてはならないと思う。しかも、
「お前らがちゃらんぽらんにお金を使ってしまったら困るから」
とは酷い言葉ではないか。
勿論私たちがキヨちゃんの財産をいい加減に使い果たすという意味までは無いだろうが、家の事や墓の事など、当然していくべき事に十分気が回せないで下手なやりくりをするという意味はあるのだ。何とも信用が無い。
そして、
「母ちゃんの一番信用している甥に任せたい」
「すずかくりちゃんが死んだ後の事も心配」
などの言葉が、喧嘩して吐いた暴言ではなく、悪気なく「良かれ」と思って言っている事に、心底傷ついた。流石のくりりんも、
「それはあまりにすずが可哀想です。」
と珍しく反論した。
大体、自分の死んだ後の事までならまだしも、私たちの死んだ後の事まで何の心配か。私たちは私たちの将来すら自分で心配出来ないのか。
「だったら、家だけで無くて母ちゃんの老後も頼めばええわ。」
私も悲しくなってそう言った。
家屋敷が欲しくて、わずかばかりのキヨちゃんの貯蓄欲しさにここにいるのではない。今までキヨちゃんの老後を見るのも、義務でも義理張りでもなく、私がしたいからすると決めていた。そして、キヨちゃんが命がけで、時に重荷になるほどに母として愛してくれていた事も知っている。だからこそ、養女という事実に気付きもしなかったのだ。
だから、それだからこそ、余計に今度の事は悲しかった。ショックは思ったほどなく、喧嘩したが、いつもよりは苛立ちもなかった。ただ、その悲しみはちょっとずつちょっとずつ忍び寄ってきて、仕舞にはずしりと胸に堪えた。
いつだってキヨちゃんの事を最優先にしてきたつもりなのに・・・つらい。
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昼からは、二人で新居浜まで出掛けた。と言うのも、キヨちゃんが台所のシステムキッチンを新調したいと言い出したからだ。元々シンクは私が学生の頃台所リフォームで入れたので、30年選手である。その間、一度はコンロは入れ替えているが、それでも今のコンロがぼろぼろで、上のつり戸棚は別としても、シンクとコンロと換気扇は換えたいな…という事になったのだ。
そこで、いつもお願いしている大工さんにパンフレットを貰ったのだが、こういうものは実際に観た方がいいと言う従兄の意見もあって、ショールームを訪ねたのだ。
実際行ってみると、パンフレットでは分からない事が沢山あり、丁寧な説明やシュミレーション、見積もりまで出してもらえた。何より、色々考える事が楽しくてウキウキした。
そして、写真も撮ったりして、キヨちゃんにきちんと説明できるように段取りして戻った。夕飯は何か買って帰るから、18時頃には戻るからと伝えていたのに、戻ってみると空腹だったらしいキヨちゃんは、待てずに先に食べ始めていた。
いつも待たずに食べろと言っても、残業する私を持つのでしんどいのに、こんな時まだ早い時間なのに、待って欲しい時は待たないのだから、勝手である。とりあえず、急いで刺身などを並べて一緒に食事にした。
食事中、観てきたショールームの話をして、見積もりを伝える。そして、いずれは私が使うのだし、私たちも半額出すと言う話で互いに納得していた。
その辺りまでは、新しいリフォームの事で二人ともウキウキ気分だったはずだ。ところが、キヨちゃんの不用意な一言で場の空気は悪くなった。
今までも、家のリフォームなどの時は、従兄に相談していた。と言うのは、従兄は一級建築士で知識もあり、当時は父を亡くした後で、キヨちゃんとしても身内に相談できる人がいなかったのだ。勿論、父側の親戚にも建築に携わっている人はいて、何度もお世話になっているが、キヨちゃんは自分の甥の方が話しやすかったこともあるだろう。
その従兄に、今回も色々相談していたのだが、突然キヨちゃんはその従兄に幾ばくかのお金を残したいと言い出したのだ。
いや、実は以前から世話になった従兄に、少しお金を残したいと言う話はキヨちゃんはしていて、私も了解済みだ。勿論キヨちゃんのお金なのだし、従兄が迷惑でなければ、それはそれでいいと思っている。ただ、今回はお金の事ではなく、
「母ちゃんが死んだ後も、家の事は○○(従兄)に任せたい。」
というような趣旨の事を言いだしたのだ。
おそらく始まりは、キヨちゃんも私が一人の時から先々を心配して、自分が死んだ後も相談できる人を置いてやりたいと思っての事だったと思う。しかし、今は私もくりりんがおり、相談相手ならまだしも、任せるのは従兄ではなく私やくりりんでなくてはならないと思う。しかも、
「お前らがちゃらんぽらんにお金を使ってしまったら困るから」
とは酷い言葉ではないか。
勿論私たちがキヨちゃんの財産をいい加減に使い果たすという意味までは無いだろうが、家の事や墓の事など、当然していくべき事に十分気が回せないで下手なやりくりをするという意味はあるのだ。何とも信用が無い。
そして、
「母ちゃんの一番信用している甥に任せたい」
「すずかくりちゃんが死んだ後の事も心配」
などの言葉が、喧嘩して吐いた暴言ではなく、悪気なく「良かれ」と思って言っている事に、心底傷ついた。流石のくりりんも、
「それはあまりにすずが可哀想です。」
と珍しく反論した。
大体、自分の死んだ後の事までならまだしも、私たちの死んだ後の事まで何の心配か。私たちは私たちの将来すら自分で心配出来ないのか。
「だったら、家だけで無くて母ちゃんの老後も頼めばええわ。」
私も悲しくなってそう言った。
家屋敷が欲しくて、わずかばかりのキヨちゃんの貯蓄欲しさにここにいるのではない。今までキヨちゃんの老後を見るのも、義務でも義理張りでもなく、私がしたいからすると決めていた。そして、キヨちゃんが命がけで、時に重荷になるほどに母として愛してくれていた事も知っている。だからこそ、養女という事実に気付きもしなかったのだ。
だから、それだからこそ、余計に今度の事は悲しかった。ショックは思ったほどなく、喧嘩したが、いつもよりは苛立ちもなかった。ただ、その悲しみはちょっとずつちょっとずつ忍び寄ってきて、仕舞にはずしりと胸に堪えた。
いつだってキヨちゃんの事を最優先にしてきたつもりなのに・・・つらい。






