《『土に叫ぶ人 松田甚次郎 ~宮沢賢治を生きる~』花巻公演(平成31年1月27日)リーフレット》
少し繰り返しになるが、平成12年8月、不本意なままに閉塾せざるを得なかった『最上共働村塾』ではあったが、昭和13年の11月に新塾舎の建設に着手することが出来て、再開の目途がたったという。このことに関して、松田甚次郎は次のように語っている。
「要るものは要る。建つべきものは必ず建つ」と、私の畏友達は塾閉止のとき力づけて呉れたが、その喜びの機会がまもなくやって来た。羽田氏を初め、新国劇や其の他の有志の後援によつて、十一月には塾舎新築の設計計画も出来上り、愈々地均しの上建設に着手したのが十一月二十日であった。
…(投稿者略)…
愈々晴れの一月十日が訪れた。東京からわざわざ羽田氏に代わって来て下さった大野氏をはじめ、極力資材の援助を下さった秋田の沼倉、飯坂の両氏、岩手県花巻の宮澤賢治会の照井氏の来塾をはじめ、村内外多数の方々を迎へ、石川、群馬、山形、秋田、岩手の各地から男子十名女子二名の新入生を迎へて、一年有余休塾した我塾はここに新しい塾舎の完成と共に挙げることになった。かへりみれば昭和十三年十一月十五日、宮澤先生の詩碑に詣でて、その前に十年間の業績を報告し、更に今後十年を誓った第一歩こそこの塾の再建である。この新たな塾は宮澤先生の見守りを受けて行かねばならぬ。塾の階上床の間には、詩碑の石刷り軸が大きく掲げられて在る。
<『續 土に叫ぶ』(松田甚次郎著、羽田書店)より>…(投稿者略)…
愈々晴れの一月十日が訪れた。東京からわざわざ羽田氏に代わって来て下さった大野氏をはじめ、極力資材の援助を下さった秋田の沼倉、飯坂の両氏、岩手県花巻の宮澤賢治会の照井氏の来塾をはじめ、村内外多数の方々を迎へ、石川、群馬、山形、秋田、岩手の各地から男子十名女子二名の新入生を迎へて、一年有余休塾した我塾はここに新しい塾舎の完成と共に挙げることになった。かへりみれば昭和十三年十一月十五日、宮澤先生の詩碑に詣でて、その前に十年間の業績を報告し、更に今後十年を誓った第一歩こそこの塾の再建である。この新たな塾は宮澤先生の見守りを受けて行かねばならぬ。塾の階上床の間には、詩碑の石刷り軸が大きく掲げられて在る。
というわけで14年1月10日には新塾舎が完成し、『最上共働村塾』は再開され、後にこの塾舎は「土に叫ぶ館」と呼ばれるようになったという。
【Fig.1 土に叫ぶ館】
なお、折角出来たこの新塾舎は同年5月27日に焼失してしまったが、同年9月3日には再建に着工し、同年12月3日に再建された。
【Fig.2 再建された塾舎】
<『「賢治精神」の実践』(安藤 玉治著、農文協)より>
【Fig.3 新築された最上共働村塾平面図】
<『續 土に叫ぶ』(松田甚次郎著、羽田書店)より>
そして、その後の松田甚次郎の仕事ぶりを年譜から拾ってみると
昭和16年1月 「村塾建設の記」出版
昭和16年3月 「新しき生活の建設」山形放送局より全国放送
昭和16年8月 農村演劇講座開催
昭和16年9月28日 共働村塾10周年記念式挙行
昭和17年3月 「野に起て」出版
昭和17年12月15日 「続・土に叫ぶ」出版
<『「賢治精神」の実践』(安藤玉治著、農文協)の年譜より>昭和16年3月 「新しき生活の建設」山形放送局より全国放送
昭和16年8月 農村演劇講座開催
昭和16年9月28日 共働村塾10周年記念式挙行
昭和17年3月 「野に起て」出版
昭和17年12月15日 「続・土に叫ぶ」出版
ということで一見順風満帆に見えるのだが、恐れていたことが昭和18年に起こってしまう。
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賢治の甥の教え子である著者が、本当の宮澤賢治を私たちの手に取り戻したいと願って、賢治の真実を明らかにした『本統の賢治と本当の露』
〈平成30年6月231日付『岩手日報』一面〉
を先頃出版いたしましたのでご案内申し上げます。
その約一ヶ月後に、著者の実名「鈴木守」が使われている、個人攻撃ともとれそうな内容の「賢治学会代表理事名の文書」が全学会員に送付されました。
そこで、本当の賢治が明らかにされてしまったので賢治学会は困ってしまい、慌ててこのようなことをしたのではないか、と今話題になっている本です。
現在、岩手県内の書店での店頭販売やアマゾン等でネット販売がなされおりますのでどうぞお買い求め下さい。
あるいは、葉書か電話にて、『本統の賢治と本当の露』を入手したい旨のお申し込みを下記宛にしていただければ、まず本書を郵送いたします。到着後、その代金分として1,620円(本体価格1,500円+税120円、送料無料)分の郵便切手をお送り下さい。
〒025-0068 岩手県花巻市下幅21-11 鈴木守
電話 0198-24-9813
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