みちのくの山野草

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3063 青江舜二郎著『宮沢賢治』

2013-01-07 08:00:00 | 賢治渉猟
 さて、やはり賢治の労農党支部へのシンパ的行動についても少し調べてみることが必要だとこの度覚悟したのには、実は伏線があった。
 それは、以前読んだ青江舜二郎著『宮沢賢治』の中に
  「2――真実とごまかし」
という節があり、そこでは例えば
 賢治は羅須地人協会時代において、まぎれもなく労農派のシンパであり協会はその運動実践のためのものだった――この立場に立つとき、賢治が農学校の教師をやめて、この協会を足場に新しい生活にとびこむまでの期間を記した、これまでの伝記に痛感される歯切れの悪いもやもやがたちまちにして消え、いっさいがはっきりしてくる。
            <『宮沢賢治』(青江舜二郎著、講談社現代新書)152pより>
と青江は言い切っている。今にして思えば、これが伏線だった気がする。
 私は同書を以前に読んではみたものの、青江の主張するところの〝賢治と労農党〟関連については今まではなんとなく敬して遠ざけてきた。主張していることには頷けることも少なからずあるとは思いつつも、どうも抵抗感があったからだ。先に挙げた例にしても、そこまで断定的に言い切って良いのだろうかと訝っていたからかもしれない。だから同書の「2――真実とごまかし」に関連関しては本ブログで取り上げたことはかつて一度もない。
 ところがこの度、父政次郎が賢治は労農党支部のシンパであったと証言していたことを知って、いつまでも青江の主張や見方を見て見ぬふりをしていることはもう止めようと思うことにした。今の状態が続くということは、まさしく「目の前に見えているのにそんなことはあり得ないと決めつけて、見なかったことに」することがこれからも続いてしまうことを懼れたからだ。それでは真実が見つからぬのだ、きっと。

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