先日、近くの喫茶店にランチを食べにいき、週刊誌を読んでいたら「おもてなし」ということについて、興味深いことが書かれているのを読みました。
どんなことが書かれていたか、その大意を書けばこんなことでした。
その人は、都合でアメリカに住むようになった。すると、日本のような行き届いたサービスがないことに、「どうしてこんな程度のことをしてくれないのか」と最初は不満に思ったらしい。しかし、そのサービスの悪さにだんだん慣れてくると、別段不満にも思わなくなり、これはこれでいいのかなと思うようになったらしいのである。
そのことから、その執筆者は「サービス」や「おもてなし」ということに考えさせられたのでしょう。続いて、およそ次のようなことを書いていました。
○おもてなし(サービス)」ということは、それを受ける側にとっては有難いことで、結構なことではあるが、サービスを提供する従業員にとっては、それだけ負担がかかることになる。日本では、今さかんに「おもてなし」ということが言われて、従業員教育が行われているようだが、従業員にあまり負担を強いるのは疑問だし、サービスを受ける方も、働く側の立場に立ってあまり過度な期待をしないことが大切ではないだろうか」というようなことが、書かれていたのです。そうそう、アメリカでは、客よりも従業員を第一に考える傾向がある、とも書かれていました。
こういう記事を読んでわたしははじめて「働く側の立場」ということが視野に入ってきて、「なるほど~!」と目が開く面白さを感じたのでした。「おもてなし」という言葉は、美しい良い言葉だから、そのよい言葉の方ばかりに目がいって、「働く側の立場」ということがまったく視野に入ってなかったのです。
言われて見ればまったくそうだ、と感心したことでした。私はこれから働く側の立場になって、少々、こちらへの応対に不満を感じた時にも、すぐに、「ご苦労様です」と心の中で声をかけることにしようと思ったことでした。まあ、そんな気持ちにさせてくれるような、気持ちの良い記事でした。