ども、砂川です。
第11回山本周五郎賞受賞作品、梁石日の「地と骨」、読み終えました。
北野たけし主演で映画化もされてましたね。
やや散文的なストーリー展開ではありますケド、いや~、参った・・・、スゴい小説でした。
1930年頃、大阪の蒲鉾工場で働く金俊平は、その巨漢と凶暴さで極道からも恐れられていました。
女郎の八重を身請けした金俊平は彼女に逃げられ、自棄になり、職場も変わります。
さらに飲み屋を営む子連れの英姫を凌辱し、強引に結婚し・・・。
今も猥雑な空気感をまとう鶴橋のあたり、より一層混沌とした戦前の雰囲気が手に取るように伝わってきます。
他を圧倒するほど暴力的、自己中心的な金俊平の存在感がけた違いにスゴいです。
酒と女と博打に明け暮れ、自分しか信じない・・・、実父をモデルに書いた小説とのコトですケド、その強烈な生き方に拍手を送るべきか、侮蔑を送るべきか・・・。
「血は母から受け継ぎ、骨は父から受け継ぐ」、韓国の儒教的家父長制度にもとづき、どんな状況であれ切っても切れない「親子」の絆を痛いほど描いた作品です。
映画も見てみたくなりました。