鮮紅色や白色の長い雄蕊をもつ房状の花序が、ビンを洗うブラシのように見えるのでこの名がついたブラシノキ(フトモモ科ブラシノキ属)は、オーストラリア原産の常緑の小低木で、美しい雄蕊というギリシャ語から来たカリステモンという名でも呼ばれます。
特徴ある花の形はおなじみですが、花の後に長く枝に残る直径1cmほどの果実も特徴があります。この果実は花の後もずっと成長を続けて、数年間は枝に残り、極端な乾燥や山火事のときに鋭く裂けて中の種子が飛び散って拡散します。そして山火事で裸になった土地で真っ先に芽をだし、一帯の優先種となるというのです。
ユーカリとよく似たこの種子のはたらきは、オーストラリアという原産地の気候風土に巧みに適応したものなのです。