石狩当別で乗り込んだ1両のワンマン列車の乗客は僅かに4人と言う寂しさだ。
先ほどまでの車内の賑わいと比べるとその差は余りにも大きい。
途中の本中小屋駅のホームに立つ名所案内には「林道からの展望」と書かれて
いて、どんな素晴らしい眺望が待ち構えているのか、少し気になった。
石狩月形で行き違い停車があり、車内の乗客も入れ替わった。
その折、ホームに降りてきた運転士に復路の話を聞くと、わざわざ駅務室まで行って
確認し、そして「日曜日に限って運行している」と言い、「絶対こっちが早い」と勧めて
くれた。
終点の新十津川から、札幌に戻る経路の事だ。
このままこの列車で札沼線を折り返すより、滝川までバスで出て、そこから特急で
札幌に戻る方が早いと言う。
列車は駅に止まると降りる人ばかりで、乗り込む人もなく、いつの間にか車内は
二人だけになってしまった。
終点まで行くと言うご婦人に、滝川行のバス停を訪ねると、「道は違うけど自転車
だから、途中まで一緒に行ってあげる」と言ってくれた。
「車内はいつもこんな感じ?」と聞くと、「いつも貸切り」と笑い、「昼の便は、少しは
乗るけどね」と言う。
石狩当別を11時過ぎに出る列車には、そこそこの乗客がいるらしい。
「たまにカメラを持ったお客が乗ってくる」
と、そんなことをご婦人と話し込んでいるうちに列車は終点の新十津川に到着した。
明治の中頃、当時の奈良県吉野郡十津川村を襲った未曾有の大水害で、600戸
2,690人が大量移住し開拓を始めたのが当地で、駅名はそれに由来しているという。
周辺は米どころとして、又「空知たまねぎ」の産地として知られている。(続)
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