簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

新十津川(JR乗り潰しの旅)

2014-10-08 | Weblog


 石狩当別で乗り込んだ1両のワンマン列車の乗客は僅かに4人と言う寂しさだ。
先ほどまでの車内の賑わいと比べるとその差は余りにも大きい。

 途中の本中小屋駅のホームに立つ名所案内には「林道からの展望」と書かれて
いて、どんな素晴らしい眺望が待ち構えているのか、少し気になった。



 石狩月形で行き違い停車があり、車内の乗客も入れ替わった。
その折、ホームに降りてきた運転士に復路の話を聞くと、わざわざ駅務室まで行って
確認し、そして「日曜日に限って運行している」と言い、「絶対こっちが早い」と勧めて
くれた。

 終点の新十津川から、札幌に戻る経路の事だ。
このままこの列車で札沼線を折り返すより、滝川までバスで出て、そこから特急で
札幌に戻る方が早いと言う。



 列車は駅に止まると降りる人ばかりで、乗り込む人もなく、いつの間にか車内は
二人だけになってしまった。
終点まで行くと言うご婦人に、滝川行のバス停を訪ねると、「道は違うけど自転車
だから、途中まで一緒に行ってあげる」と言ってくれた。



 「車内はいつもこんな感じ?」と聞くと、「いつも貸切り」と笑い、「昼の便は、少しは
乗るけどね」と言う。
石狩当別を11時過ぎに出る列車には、そこそこの乗客がいるらしい。
「たまにカメラを持ったお客が乗ってくる」
と、そんなことをご婦人と話し込んでいるうちに列車は終点の新十津川に到着した。



 明治の中頃、当時の奈良県吉野郡十津川村を襲った未曾有の大水害で、600戸
2,690人が大量移住し開拓を始めたのが当地で、駅名はそれに由来しているという。
周辺は米どころとして、又「空知たまねぎ」の産地として知られている。(続)




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札沼線(JR乗り潰しの旅)

2014-10-06 | Weblog
 札沼線は76.5Kmの路線で、「学園都市線」の愛称が付けられている。
元々は札幌の次の駅、桑園から新十津川を経て更にその先、留萌本線の石狩
沼田とを結ぶ路線で、多くの列車が札幌発であることが線名の由来で有る。

 しかしその後、新十津川と石狩沼田の間が廃止されたが、線名から「沼」の字が
外されることはなかった。



 途中の北海道医療大学辺りまでが、札幌の近郊路線と言う雰囲気で、その先は
典型的なローカル線となる。
特に浦臼から先、終点の新十津川まで行く列車は日に3本しかない。



 地図を見ると解るが、札沼線は北に延びる石狩平野の西側を走っている。
札幌を出て一旦西に向かい、桑園を過ぎたあたりで大きく北にカーブをし、石狩川
流域に沿うように進む。

 一方、石狩平野の東側には、函館本線が並走するよう走り、その間隔は北に向か
うほどに狭くなり、終点の新十津川と滝川の間で一番縮まるとそこは距離にして4キ
ロほどしか離れていない。





 始発の札幌駅からは長大編成の列車が発車した。
何両の連結なのか、これほどの編成に乗るのは、道内では初めてである。
札幌のベッドタウンを行き、沿線には、教育大や医療大が立地しているので、どの
駅でも大勢の乗り降りが有り、まさに通勤・通学や、買い物の足として活気に溢れ
た路線である。





 列車は札幌を始発としているが、新十津川までの直通運転は無く、途中の石狩
当別か、北海道医療大学までで、終点に向うにはそこで乗り換えることに成る。
車内が賑わうのも、ここら辺りまでだ。(続)




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留萌線を乗り潰す(JR乗り潰しの旅)

2014-10-03 | Weblog


 草の生えた閑散としたホームに、折り返しの列車が入って来た。
この何もなく寂しいローカル駅に停まった列車を写真に収めようと、線路脇にはいつ
の間にか観光の人々も集まって来て、しきりにカメラを向けている。



 思ったよりも下りてくる人が多い。一見して観光客風の乗客だ。
折返し便に乗る人々もどこからともなく集まって来て、ホームが思わぬ賑わいを見せ
ている。



 増毛の駅に併設された売店で「たこ親父のたこ飯弁当」を買い込んで、キハ54系
1両のワンマンカーに乗り込んだ。
車内は意外にも二十名近い観光客で結構込み合っている。

 留萌線の内、バスで来てしまった留萌と増毛の間をこれから乗り潰すのだ。



 バス路線よりも高台を行く列車の車窓は、バスとは違った趣が有る。
特に発車間際の増毛港やマリーナを見下ろしながら行く箇所は、町中を行くバスか
らは見られなかった景色で新鮮だ。





 途中の停車駅のホームは、多くが海を見下ろす高台にあり、それらはどこも板敷
きの、列車一両分ほどの長さしかない粗末で小さなものだ。
こんな駅から乗り込む新たな乗客はいなかった。
25分ほどで留萌に到着、そのままこの列車で深川に戻る。



 深川で20分ほどの待ち時間の間に、駅の売店で名物「ウロコダンゴ」を買い求め、
特急で札幌に向かう。1時間ほどの行程だ。



 4時前に札幌に到着した。
このまま市内を観光し、早くホテルにチェックインしたいところだが、その前にもう一
つやっておかなければならないことが有る。それは札沼線を乗り潰すことだ。(続)




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増毛の町歩き(JR乗り潰しの旅)

2014-10-01 | Weblog
 古い建物が沢山残る駅周辺の通りでは、日曜日のせいなのか、大勢の観光客が
散策し賑わっている。



 駅の直ぐ前で一際異彩を放っているのは「富田屋旅館」で、昭和8年に建てられ
た3階建ての木造旅館だ。

 駅前通りには、築70年以上という民宿「ぼちぼちいこか増毛館」や、洒落たカフェ
「海猿舎」、その先には国の重要文化財に指定されている昔の雑貨店「旧商家・
丸一本間家」の巨大な建物がある。





 更に進むと明治15年創業と言う「圀稀酒造」が有る。
ここは最北の醸造所として知られた造り酒屋で、その作業場は公開されていて試飲
や見学をすることが出来る。傍らには、醸造用水として使われる暑寒別岳の伏流水
を味わえる施設も併殺されている。



 本通りを外れ、海に向かうと「千石蔵」と言う巨大な石造りの蔵が有り、内部を公
開している。かつてはニシン漁で栄えた町で、そのニシン漁に使われた巨大な舟が
展示さえていて、その大きさには驚かされた。



 少し足を延ばせば、創建260年と言う古社・厳島神社が有り、総ケヤキ造りと言う
本殿には見事な彫刻が施されていた。



 道内では最大で最古の木造校舎と言われる「旧増毛小学校校舎」は、つい先年
まで現役で使われていたものらしく、堂々たる作りに圧倒される。



 こんな町内には、石造りの建物を利用したお店や、こぎれいなカフェ、食事処、出
来立てが味わえるかまぼこ屋さんなどが点在している。
そんな店を冷やかしながら食べ歩き、過去の栄華を偲んでの散策は楽しいものだ。(続)




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