関宿の町並は、昭和59(1984)年には、国の伝統的建造物群保存地
区に指定された。
木崎、中町、新所と続く凡そ2㎞の街道筋には、400余りの建屋が軒を
連ね、その内の約200棟が保存対象となっている。
各建物には「伝統的建造物」を示す登録票が軒下に貼られている。
残された町屋で最も古いのは18世紀中頃のものというが、それ以外で
も半数以上は明治中期以前に建築されたものらしい。
白壁を塗り込めた土蔵造りの家、平入りの平屋、中二階の家、旅籠造
りの二階家等があり、多くは虫籠窓を設けている。
それらがランダムに入り交り、この見事な町並を形作っている。
ここ関では毎年7月下旬に、関神社の夏祭り、所謂関祇園祭が行なわ
れている。町内の「木崎」「北浦」等から豪華絢爛な山車(だし)が出
され、宿場の旧街道を練り歩く。
昔は16台もの山車があり、大層な賑わいであったらしい。
ところが宿場町の道幅は大層狭く、狭いところをギリギリで山車が通
る様子等から、「関では山(山車)が出ると、道が溢れそうになる」と
言われ、このことから「一生懸命やって、やっと出来る」或は「多く見
積もってもそこまでだろう」、「精一杯」等の事を「関の山」と言う様
になった。元々は誉め言葉であるが、今では「限界」を表す貶し言葉と
して使われる事が多い。
街道筋を歩いていると、山車を納める縦長の倉庫を幾つか目にするこ
とがある。
町中にも山車収蔵展示棟を含む4棟からなる「関の山車会館」がる。
山車4基の内2基が常設で並べられ、祭りの付属品や歴史資料が展示され、
関宿の夏の風物詩「曳山まつり」が体感できる。(続)
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