簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

若い女遍路(四国遍路の旅)

2014-12-12 | Weblog
 結願の日の朝、テレビの天気予報はしきりに「曇りのち雨」を告げていた。
外を見るとまだ雨は降り出してはいないが、どんよりと重そうな雲が空一面に低く
覆っていて、何時降り出してもおかしくはないような雲行きである。





 この日は88番門前の宿に予約を入れている。
従ってそんなに慌ただしく出発する必要はないのだが、午後になるほど降水確率
が上がるとあっては、のんびり構えているわけにもいかない。



 この前日、門前の民宿に宿を取り、早々にチェックインした。
洗濯・入浴を済ませ、明日に備えすっかりと寛いでいるものの、どうしたわけか心は、
一人の若い女性遍路のことが気になって仕方がない。





 屋島の下で見かけたのが最初の若い歩き遍路で、それ以降時々目にしてきた。
志度寺を出て、県道3号を歩く我々の後を、少しの距離をおいて歩いていた。
長尾寺でも、団体のかたまりの横で、静かに本堂に向かい手を合わせていた。
 10キロは有ろうかと察せられるような大きな荷を背負い、手には水の入った大き
なペットボトルを下げて歩いていた。
 その日も、これから88番を目指すのであろうか、どこで泊まるのか、門前で泊ま
る様子も見せず山門を出て行った。



 何が有ったのか知らないが、人を寄せ付けない決死の覚悟、悲壮感が漂うよう
な雰囲気の女性で、道中遭遇しても中々声が掛け辛く、ここまで距離を置いて
見守ってきた。

そんな一人の若い女性遍路のことを少しばかり気にしながら早々に朝食を済ませ、
雨を気遣って、6時半過ぎには宿を後にした。(続)


修行の道場(四国遍路・土佐の国)フォトチャンネル アップしました





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