簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
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日坂(にっさか)の宿 (東海道歩き旅・遠江の国)

2020-09-16 | Weblog


 東海道三大難所の一つと言われる「小夜の中山」を下ると、厳しか
った峠道とは違って、そこは穏やかな家並みを見せる東海道25番目の
日坂(にっさか)の宿場である。
元々は西坂とも新坂とも言われ、小夜の中山の西の登り口に開けた宿
場町で、東の見附を抜ければ直ぐに急坂が待ち構えていたのであろう。



 宿場の東見附から西見附までの間はおよそ6町半(700m)と言い、
本陣、脇本陣がそれぞれ1軒、旅籠の数は33軒、宿内の人口は750人と
云うからさほど大きな宿場ではなさそうだが、取り決め通り、伝馬100
疋、伝馬人足100人は置かれていたと言う。



 難所を控えた宿場にしては些か規模が小さいようにも思われる。
峠越を控えた旅人が英気を養い、下り終えた旅人が安堵の休息をした
であろう割には、旅籠の数が少ないような気もする。
大井川が川留めともなると、この宿にも影響が及び、大層な賑わいを見
せたというから尚更である。



 秋葉灯籠の先の幼稚園のある辺りが、宿場の中心の本陣・扇屋の跡地
である。敷地は320坪あり、建坪220坪の建物も幕末の頃の火災で焼失、
その後再建されたものの明治維新を迎え、廃業している。



 明治に入ると跡地に小学校が開設されたが、それも今は無く、復元さ
れた本陣の門が建ち、公園風な芝生の広場になっている。
明治天皇も休憩されたという、脇本陣「黒田屋」は、ここより西に少し
行ったところにあるが、今は跡地のみである。



 今日の町並は、人を見かけることも無く静かで落ち着いたものだ。
宿場内には格子戸など古い面影を残す家も幾らか残されている。
そんな通りの家並みには、昔の屋号を書いた木札が掲げられている。(続)





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