簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

負のスパイラル

2022-12-23 | Weblog
 鉄道や路線バスに比べれば、ドアツードアの自家用車の方が圧倒的に
便利だ。車なら、時刻表を気にしなくて済み、出発地から目的地まで座
っていける、暑くても寒くても、雨が降っても北風が吹いても、快適に
目的地に到達出来る。



 そういう時代を見越し、郊外には大型のスーパーや専門店、小売店、
喫茶店やゲームセンターからパチンコ店、更には病院や介護施設まで
もが、広大な敷地を郊外に求め、駐めやすく広々とした駐車場を構え、
次々に立地するようになった。



 近年では多くの人々が豊かな生活と共に車を所有し、便利な生活に慣
れ親しんでいる。こうして利便性を理由に、公共交通機関を使わない傾
向は、地方に行くほど顕著だ。休日ともなると、食料品の調達すらレジ
ャーを兼ねた家族総出のドライブとなる。



 買い物袋が幾つあろうが、多くの荷物も何のその、こうした便利さは
格別で、公共交通機関ではとても太刀打ちができない。
 市民の生活の足は最早完全に、一家に1台以上所有する車にシフトし
ているのである。日常生活に於ける移動の基本は車で、余程のことが無
い限り、鉄道や路線バスは使わない。
 
 

 結果、利用客が減る。減るから営業成績が悪化する。
収入が減ればコストダウンしか無い。
 鉄道なら駅員を減らし、さらに運行本数も減らすから益々使い勝手も
悪くなる。便数が減れば、待ち時間が増え、乗り継ぎも悪くなる。
こうなると使う機会も減り、客は更なる減少となる。
路線バスも事情は同じようなもので、正に負のスパイラルである。



 そうは言っても路線バスならまだ経路の変更という手は残されている。
しかし、軌道敷が固定された鉄道や路面電車では即応も出来ず、最早立
ち入る隙は無い。

 郊外に流れる客の受け皿となれなかった鉄道から客は減る。
沿線や駅前の商店街・デパートが、廃れていくのは自然の摂理である。(続)


(写真:JR因美線 本文とは無関係)

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