もう四半世紀以上も前の事で、どう言う経緯であったのか、俄かに思い出す
ことは出来ないが、ある日我が家に一枚の絵がやってきた。

その絵は、もちろん本物で有る筈はなく、限りなく“本物に近い偽物”と言わ
れる商品で、あの「放浪の天才画家」として有名な「裸の大将・山下清」が描く
ところの、精緻を極めた貼り絵・「長岡の花火」である。

作品には夏の漆黒の夜空に打ちあがる大小花火の丸い輪が幾つも、大胆に
そして色鮮やかに描かれている。それを見つめる何万もの犇めき合う群衆や、
信濃川の川面に反射するその花火などが、実に細やかに精緻を極めて描かれ
ている。

この「長岡の花火」は、現地で間近に見た驚き、その時受けや強烈な印象、
脳裏に焼き付いた記憶をもとに、1950年(昭和25年)に製作され、彼の代表作
となった貼り絵である。清は前年の夏、ここ長岡の花火大会に訪れていた。

以来この作品を見ていると、突然の花火の打ちあがる音や、群衆のざわめき
が聞こえ、硝煙のにおいがどこからともなく匂ってきそうになり、それを見るに
つけ、いつかは現地で実際にこの目で見てみたい・と常々思うようになっていた。

それが、たまたま各地の花火大会の話をしていた時、ひょんなことから旅仲間
の間で、「一度行ってみないか・・」と言う事になり、俄かに計画が持ち上がった
のが昨年の春ごろのことで有る。(続)

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ことは出来ないが、ある日我が家に一枚の絵がやってきた。

その絵は、もちろん本物で有る筈はなく、限りなく“本物に近い偽物”と言わ
れる商品で、あの「放浪の天才画家」として有名な「裸の大将・山下清」が描く
ところの、精緻を極めた貼り絵・「長岡の花火」である。

作品には夏の漆黒の夜空に打ちあがる大小花火の丸い輪が幾つも、大胆に
そして色鮮やかに描かれている。それを見つめる何万もの犇めき合う群衆や、
信濃川の川面に反射するその花火などが、実に細やかに精緻を極めて描かれ
ている。

この「長岡の花火」は、現地で間近に見た驚き、その時受けや強烈な印象、
脳裏に焼き付いた記憶をもとに、1950年(昭和25年)に製作され、彼の代表作
となった貼り絵である。清は前年の夏、ここ長岡の花火大会に訪れていた。

以来この作品を見ていると、突然の花火の打ちあがる音や、群衆のざわめき
が聞こえ、硝煙のにおいがどこからともなく匂ってきそうになり、それを見るに
つけ、いつかは現地で実際にこの目で見てみたい・と常々思うようになっていた。

それが、たまたま各地の花火大会の話をしていた時、ひょんなことから旅仲間
の間で、「一度行ってみないか・・」と言う事になり、俄かに計画が持ち上がった
のが昨年の春ごろのことで有る。(続)



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