簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
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横木の小関越道標(東海道歩き旅・近江の国)

2024-08-09 | Weblog
 大津宿の札の辻で東海道は南に直角に曲がったが、そこを真っ直ぐ西
進すると長等商店街を経て、三井寺観音堂の門前に突き当たる。
そこを左に取ると小関集落で、過ぎれば小関峠を越える小関越道である。



 この道は古くから、京と北陸を結ぶ道で、大津の町中を通らないため
近道(間道)として利用されてきた。
 東海道を通る逢坂の関(大関)に対し、北陸道のみが通るので間道的
な意味合が強く、大関に対し小関とされ、小関越道と言われている。



 今では国道161号線や、東海道本線、湖西線の開通、宅地開発などで
道は途切れているらしいが、追分けから三井寺に到る7㎞余の道は、手
頃なハイキングコースとして人気らしい。



 旧東海道は、国道を越え100m程行くと三叉路に差し掛かる。
その北側右手に「三井寺観音道」と刻まれた大きな石碑と、常夜灯が建
っていた。

 東面には、「願諸来者入玄門」、西面には「小関越」と刻まれていて、
裏(北面)には、「文政五年十一月建之 定飛脚問屋 京都江戸大坂 
三店 発起 心相禅門」等と彫られている。
文政5(1822)年に、定飛脚問屋の嶋屋が建立したものだ。



 観音巡礼の西国三十三カ所観音の14番札所・三井寺観音堂(如意輪観
音)から、15番札所・京都・今熊野観音寺(十一面観世音菩薩)への巡
礼道標で、「横木の小関越え道標」と呼ばれている。



 大津の札の辻を真っ直ぐ西進する道で、小関の峠を越えるとこの三叉
路に至るのである。
 嘗てこの角には、「道晴(どうはれ)茶屋」という茶店や、水車を使
って精米する米屋などが点在していたという。


 
 小関越えの旅人もここで東海道に合流して西進すると、街道は近江国
からいよいよ山城国へと入っていく。(東海道歩き旅・近江の国後編完)

 東海道はいよいよ最後の三条大橋を目指し、山城路を歩きます。
「東海道歩き旅・山城の国編」は近日中に始ります。




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