簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

旅の持ち物 (東海道歩き旅・尾張の国)

2022-06-01 | Weblog
 ところで、昔の旅人は何を持って歩いていたのか。
テレビや映画の世界では、小さな振り分け荷物や、風呂敷で包んだ柳行
李を肩にした画をよく見かける。

 安藤広重の東海道五十三次の絵でも、描かれている旅人の荷物は驚く
程少なくて小さい。修験者などが比較的大きな笈(山伏の12種類の正式
道具の一つ)を背負っている程度だ。





 今ほど物が豊富ではない時代で、当然と言えば当然だが、余りにも少
ないようにも思う。
ある本によると「財布、小銭入れ、道中差し、矢立、扇子、針糸、懐中
鏡、鬢付け油、提灯、蝋燭、火打ち石、印判、鼻紙、薬入れ印籠、着替
えなどが旅の必需品」と書かれている。
修験者の笈が大きいのは、仏像・仏具や経典をも入れて持ち歩くらしい
からこれは特別である。





 庶民の旅は、小銭入れや矢立、薬入れなどは腰に付ける場合が多く、
道中差し(実際の刀ではなく、小銭入れになっていた物も多く有った)
は腰に差し、それ以外を持ち歩くが、何れも大した嵩でも無く、荷に
はならず、当時の旅は身軽だったようだ。
草鞋も予備は持って歩くが、現地での調達が当たり前であった。





 一番嵩張りそうなものが着替え類、と言っても多くは下帯(男ならふ
んどし、女なら腰巻き)位だから大した荷には成らない。
 
 中には枕を持ち歩いたとの記録もあるらしい。
これは携帯に便利なように、折りたたみか、内部に物が収められる構
造のものが重宝された。
今も昔も同じで、枕が変わると眠れない人がいたのであろう。
いずれにしても歩き旅の持ち物は、少なくて身軽が良いようだ。(続)

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コメント
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