簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
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食べたまま、書いてます。

バリ島旅行記 テロへの恐怖

2009-09-08 | Weblog
空港から遠ざかるにつれラヤ・ウルワツ通りの両側は、店が少なくなり、変わりに
大きな門構えのリゾートホテルやレストランが目に付くようになる。

 【写真:レストラン】

魅惑の島・バリを象徴するような有名なホテルが、まだ赤々と灯りを灯し、その入口を
何人もの男たち(恐らくガードマンであろう)が門を固め、旅人を待っている。
リゾート地には何となくそぐわない、治安の良い日本では考えられない光景に、違和感
を覚えるが、これが外国なのかとこんな光景にも妙に納得するのである。

後で知ったのだが、バリでは2002年に発生した爆弾テロ事件で死刑判決を受けた死刑
囚に対する刑が昨年末執行され、その報復のテロが懸念されていると言うのだ。
その為、外国人や外国関連施設を狙った自爆テロを防止するため警備の強化が図られて
いるようだ。

賑やかな本通りを右に折れると、やがて道は緩やかな上りに変わり、周りは一段と暗くなる。
道すがら、ヘッドライトが路傍でエサを漁る犬を浮かび上がらせる。
それも一匹や二匹ではない。
車がすぐ脇を通っても彼らは、逃げようとはしないで地面に鼻を擦り付けている。
何と野良犬の多いところだ、と思いながら暗闇を注視していると、その後も夥しい数の犬を
目撃する。
そんな犬に混じって、時折大きな牛が同じように路傍でエサを漁っている。

やがて車のスピードが落ちた。
前を見るとその先の道路にはバリケードが設けられ、一本のポールが道を塞いでいる。
制服の違う大柄な男が3~4人詰めている。警察官とガードマンのようだ。
ガードマンらしき男が、車の中を覗き込み、そして車のトランクを調べている。
どうやらここがホテルの入口らしい。

 【写真:アヤナのエントランス】

ガードマンが異常の無いことを、バリケード横の男に告げると、男はポールを固定するロープを
緩めた。
ポールが勢いよく跳ね上がり、車は再び動き始める。
バリケード脇で直立する警察官がこちらに挙手の礼を取った。
その足元には既に役目を終える時間になっているのか、黒い大きなシェパードが、塊のように
なって寝そべっていた。(続)









 【写真:バリの花々】
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