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the paintings from Manchester

2009-08-15 | art
豊橋美術博物館開館30周年記念展    ターナーから印象派へ-光の中の情景-

7月3日から8月16日まで、愛知県の豊橋美術博物館でマンチェスター市立美術館収蔵の絵画が日本で初めて公開されるというので、見に行ってきました。

特にイギリス絵画が好きなわけではないですが、憧れの「マンチェスター!」てこととターナーの絵が見れるというので、遠いですが足を運びました。

会場のある場所自体が歴史ある東海道の宿場で、広重の浮世絵にも残されているという魅力もありました。美術博物館のある公園の散策は後にして、まずは展示会へと向かいました。

植民地時代にはインド人を酷使して綿花を生産させ、その綿を持ってきて綿織物工業が栄えた工業都市・マンチェスター。(しかし、英国人はマンチェスター製の綿製品は品質が悪いと云っていた。その後綿製品は日本製が出回り英国はインドの綿畑を閉鎖、インドの農民は路頭に迷うことになった。)
芸術のような華やかなイメージのない都市の絵画は、いったいどんなものなんだろうか…展覧会のフライヤーにはターナーの絵を中心に美しい風景画が並んでいます。絵画には詳しくありませんが、1830年代から50年代までのロマン主義~写実主義の絵で、フランスのミレーやコローやクールベなどの有名画家から比べたらやはりレベルは劣るかなぁって印象も否めない作品もありますが、多分日本では余り知られていない画家で、掘り出し物がありました。
ウィリアム・ヘンリー・ハント「イワヒバリの巣」
展示室入って迎えてくれたのがこの一枚。ウィリアム・ヘンリー・ハントという画家の水彩画でした。次の絵もこの画家の「プラム・グリーンゲージ・ブラックベリーとローズヒップ」という水彩画で、タイトル通りの植物が道端に置いてある静物画でした。「プラム~」はフライヤーに載っていましたが、「イワヒバリの巣」の方にとても魅了させられました。この展覧会を訪れた多くの方がこの作品に釘付けにされたことでしょう。とても水彩画とは思えないほど緻密で色彩も美しい。小さい画像だから写真のように見えるのではなく、実物を間近で見ても写真と見紛う絵でした。油彩と違って絵の具の厚みもないし。

メイン作品のターナーの「エーレンブライトシュタイン」はやや印象薄くなってしまいました。(この絵の中にターナー自身が描き込んであることくらいか)
他にも聞いた事のない名の画家たちの作品がたくさんありましたが、パリの画家たちと違ってどことなくもたっとした素朴な感じがして、全体的に飾り気がなく誠実で気取ってない作風が気に入りました。

実は、マンチェスター市立美術館出展よりベリ美術館出展作品の方が質がよかったと思いました。一応マンチェ美術館蔵のゴーギャンなどの大物印象派画家の作品もあったのですが、どれもイマイチな作品でした。ハントの作品もベリ美術館蔵です。この美術館については詳細がわからないのですが、とても質の高い美術館だと感じました。

日本で有名でない美術館収蔵の日本で馴染みのない画家による作品展というのは、新鮮な発見があって楽しいですね。
ManchesterArtGallery

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