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スターアニスの 『大和路 里の光彩』

アーカイブ中心の風景写真、趣味の書・刻字など・・いろいろと楽しんでおります。

女性のお寺・・・華やかで、優しく

2007-06-07 07:19:56 | 西国三十三箇所めぐり

<24番札所  紫雲山 中山寺(しうんざん なかやまでら)>


場所:兵庫県宝塚市中山寺2丁目11-1

聖徳太子の創建によるとつたえられる、観音霊場。
このお寺の本尊である十一面観世音菩薩は「女人救済の観音様」として知られている。
特に、「安産祈願」のお寺として妊婦やその家族のお参りが多い。
最近、修復された(?)ばかりのお堂や事務所など建物の朱色も鮮やかで全体的に女性らしい華やかさが漂う。また階段横のエレベータも、妊婦さんへの配慮(?)が伺える。

豊臣秀吉が世継ぎ誕生祈願をし、秀頼を授かったことに始まり、明治天皇勅願所として霊徳を高めているのだ。
皇室との縁も深く、皇室御懐妊の折にも必ず腹帯を献上されているとか。

本尊の十一面観音菩薩は、2000年以上も昔のインドの王后シュリーマーラーの等身像といわれている。その両横にも十一面観音が祀られ、3体合わせて33面。このお寺にお参りすると西国三十三箇所全てに参拝したのと同じ功徳があるといわれる所以なのだ。


山門前は生活道路なのだ。朱塗りが輝いている。


たくさんのワラジが奉納されていた。


山門から見る境内。左右には何箇所ものお堂が並んでいる。土産物店も・・・。


このお堂も綺麗だ。「弁財天」「水子地蔵」などなどが建ち並ぶ。


新しく建てられたのか、眩い。


これは半分だけ。


納経所・事務所も現代的で、スッキリしている。


境内に成っていた実。何の木か分からない。


紅葉の名所に勝運祈願の寺

2007-06-06 21:15:12 | 西国三十三箇所めぐり

<23番札所  応頂寺 勝尾寺(おうちょうざん かつおうじ)>

場所:大阪府箕面市勝尾寺



開成皇子は宝亀6年(775年)に堂を建てて経を納め、十一面千手観世音菩薩を安置し、『弥勒寺』と命名したとされるのがこのお寺の前身。

その後、行巡上人の代に、清和天皇の病気治癒の祈祷を行い、天皇の病が癒えたことから、寺の法力が王に勝ったということで、天皇が『弥勒寺』を『勝王寺』に改名したとか。
しかし、これではあまりにも畏れ多いとして、『王』を『尾』に変え『勝尾寺』としたと伝えられている。だから「かつおうじ」と呼ぶのである。

京都府亀岡市の「穴太寺」から、ここ大阪府箕面市の「勝尾寺」までは、昼飯を辛抱しながら山越えのクネクネした府道を走り、着いたのが午後2時。
山門横の茶屋(参拝出入り口)に走りこみ、オーダーストップ直前の滑り込みセーフで遅い昼食。
茶屋から眺める山門横の池は、工事中。かなり広い。パンフの写真を見るとそのスケールに圧倒される。

このお寺は、病気回復、商売繁盛は勿論のこと、選挙の立候補者、スポーツ選手、競馬ファンまで幅広い方が、この寺の霊験にあやかるため「勝ちダルマ」を授かりに来られ、奉納されに来られるのだ。

寄進されている看板に、西川潔、ヘレンご夫妻の名前も・・・。


楼門様式で『応頂山』の額が掲げられている「山門」。朱塗りが鮮やかだ。

門を入ってすぐ右横の池は工事中だった。今年中に完成とか。左側にいた鯉はただ今、出張中なのだ。


このお寺は箕面国定公園内にあり、春は桜、秋は紅葉で有名な観光名所なのだ。山門からの境内はもみじの緑色が美しい。


必勝祈願の達磨を授かり勝利のあかつきには奉納にくるのだ。境内のいたるところにダルマが置かれている。ここが所定の場所なのだ。

でも、本堂正面の格子扉に・・・。

こんな灯篭の中にも・・・わかるかなぁ?

さらに、塀屋根の上にも・・・


本堂の西側、本堂に近接して「大師堂」がある。ここには四国八十八ヶ所のお砂踏みがある。
それぞれのお地蔵さんを手で触れて回った。ご利益はあるのかなぁ?



上の写真のお堂に入っておられた仏像。隣の方の顔がユニークなのだ!


門前横に大きな「椋(ムク)の木」が・・

2007-06-05 15:09:40 | 西国三十三箇所めぐり

<21番札所  菩提山 穴太寺(ぼだいさん あなおじ)



場所:京都府亀岡市曽我部町穴太東ノ辻46

慶雲年間(704~708年)に大伴古麿によって開創されたと伝えられている。
応和2年(962年)、丹波在住の宇治宮成が京都の仏師感世に聖観音像の制作を依頼、造立したと伝えられているが、観音像の造立は寛弘7年(1010年)であるという説もある。

この観音像は33年に一度だけ開扉される秘仏である。

本坊の座敷から「池泉築山式庭園」が見られる。 (500円の入山料とは別に拝観料300円) 
また、ご住職の趣味なのか境内のいたるところに「盆栽」が配置されている。


仁王門の前はT字形の交差点になっている。また、門右手の塀の際に大きな「ムクの木」があった。(写真の右端で高く聳えている木)
延宝4年(1676年)に描かれた「穴太寺観音縁起絵巻」の境内図の中にすでに巨木の姿があるというから・・・。



この「仁王門」は江戸中期の建造といわれている。


寺は何回かの火災にあっており、現存の本堂は享保20年(1735年)に再建されたもの。


「多宝塔」は文化元年(1804年)に建てられたものとか。


この「鐘楼」は趣があり、京都府の登録文化財となっている。


本坊の書院から「池泉築山式庭園」が眺められる。居合わせた外国の方も座り込んで・・ひと時の日本文化に・・・。


このお寺にも「菩提樹」の花が・・・実も成っていたのだ。

境内のアチコチに「盆栽」が・・・。ご住職の趣味かな?


低空を這う50mの「遊龍松」

2007-06-05 08:29:26 | 西国三十三箇所めぐり

<20番札所  西山 善峯寺(にしやま よしみねでら)

場所:京都市西京区大原野小塩町1372

この「善峯寺」に向かう途中は、何箇所にも及ぶ竹林を通った。
竹細工の店や筍ご飯を出す店も見かけた。
みどり深い標高300mに建つこのお寺。嵐山から天王山にかけて連なる峰峰を京では西山といい、「西山・善峯寺」となるのだ。

平安中期の長元2年(1029年)、源算上人によって開基。十一面千手観世音菩薩を彫り本尊とし、後一条天皇より勅願所と定められ、「善峯寺」の寺号を賜ったという。
その後、ご朱雀天皇の時に仁弘法師作の十一面千手観世音菩薩像を本尊とし先の観音像を脇立とされた。そして白河天皇によって諸堂が建立された。

室町時代には、後花園天皇が伽藍を改築されたが、応仁の乱によって焦土と化した。

そして江戸時代に、徳川5代将軍綱吉の生母・桂昌院が復旧、200石及び山林425,000坪を寺領として、明治に至ったのだ。
(お寺の案内書によると現在の規模は、境内3万坪(10万㎡)。回遊式庭園を回ると40分かかるとか。)

山門。1692年、桂昌院により再建。楼上の本尊・文殊菩薩と両脇・金剛力士は運慶の作で、源頼朝公が寄進したものとか。


山門から階段を登って佇むと観音堂、大師堂が・・。


手前が経堂(絵馬堂)、その奥に「多宝塔(重要文化財)」がある。


多宝塔前にある「遊龍松」(天然記念物)がある。樹齢600年の五葉松。全長50m。平成6年に松くい虫のため15m切られたとか。「日本一の松」なのだ。

この白い花は何だろう? このお寺に似合っている。
高野槇やもみじの緑色も優しい。



あみだ堂に向かう優しい階段。やはり桂昌院の優しさか・・・。


樹齢300年の枝垂れ桜。満開の花は見事だろうなぁ。


「青蓮の滝」。滝の竿石は、京都青蓮院門跡より拝受されたものとか。水不足なのか、流れ落ちていなかった。


奥の院から京都市街や比叡山を望む。眺めは最高だ!
手前下には桂昌院を祀った「けいしょう殿」がある。



「子育て観音」・・総持寺

2007-06-04 23:04:37 | 西国三十三箇所めぐり

<22番札所  補陀洛山 総持寺(ふだらくさん そうじじ)


場所:大阪府茨木市総持寺1-6-1

承和年間(834-847年)、藤原高房が任地の太宰府に向かう途中、息子の政朝が川に落ちてしまうが、翌朝、政朝が大きな亀の背中に乗って帰ってきたという。この亀は高房が前日に漁師から買い取り、川に放した亀であったとか。

感謝した高房は寺の建立を発願。観音像を刻む香木を唐人に祖国で探してくるように頼んだ。
数十年後、『藤原高房公に贈る』と刻まれた白檀が流れ着いたが、この時、高房は既に亡くなっていた。
中納言になっていた子供の政朝が、白檀で仏師に彫らせたのが亀に乗った千手観音だという。
しかし政朝もほどなく死去。その子らがようやく伽藍を完成させたのは890年であったとか。

仁和2年(886年)にこの千手千眼十一面観音を本尊として祀ったのが総持寺の創始と伝えられている。
この観音を「子育て観音」として愛され続いているのは、この父子の姿なのかも知れない。

また、千手観音の本尊は、織田信長の焼き討ちに遭ったとき、その下半身は焼け焦げたが、上半身は焼けずに金色に輝いていたという。このことから、以後、「火除け観音」とも呼ばれ崇敬を集めたといわれている。


 「山門」は楼門形式の堂々とした立派な建物である。お寺の周辺は、住宅と工場が立ち並び、某エレベータ会社の塔も見える。


これは、何の花だろうか? キョウチクトウ? 


広場奥正面に豊臣秀頼が再建したといわれる「本堂」が建てられている。


これは境内にあった像。表記されていなかった。これは誰なのかなぁ。