邦画ブラボー

おすすめ邦画(日本映画)のブログ。アイウエオ順(●印)とジャンル分け(★印)の両方で記事検索可能!歌舞伎、ドラマ感想も。

「忍びの者」

2006年07月14日 | ★ぐっとくる時代劇
最近忍者に夢中です。

伊賀の下人、
石川五右衛門(市川雷蔵)は、
織田信長(若山富三郎)打倒に向け、ライバル藤林長門守一派と
勢力を競い合う百地三太夫(伊藤雄之助)の砦で
日々修行に邁進していた。

だが若気のいたりで三太夫の妻(岸田今日子)と
深い仲になってしまいその運命はがらりと変わってしまう。

岸田今日子は、ウブな若者には抗いがたい
湿度の高いエロティシズムをたたえているのです・・(注:当時は)

五右衛門はおかしらに弱みを握られ、厳しい監視の下で
意のままに動かされてしまうのだった。

伊藤雄之助が
実は二つの砦の頭を掛け持ちしていたという秘密は
最初から明かされるが
デフォルメされたキャラクター設定、
声色の使い分けに爆笑

一方は新妻に手も出さないストイック、ねっとり型、
そしてもう一方は女といちゃつく癇症のお頭
なのである。最高!

五右衛門の監視役の忍者、
加藤嘉の、群を抜く不気味さにも注目したい。

山猿のようなライバル忍者に西村晃
血をごぼごぼ吐いての死に様はあっぱれ見事で
やっぱり「死に顔MVP」だ!・・
もっともこの映画では伊藤雄之助の最後もマジうけます。

雷蔵がうまいのは万人周知だけど
踊りの鍛錬も積んでいるからか、
体のキレが抜群で、写真のようにポーズがいちいち綺麗。

藤村志保の泣き顔もMVPだ。(連発)

村山知義による原作は当時「赤旗」に連載されたそうだが
掟やしがらみにがんじがらめに縛られた忍者の運命は
社会の底辺をささえる企業戦士にもオーバーラップする。

最初から最後まで休む暇なく見所がある。
ラストの大焼き討ちシーンにいたる
山本薩夫監督の
リアルでサービス満点の演出、構成のうまさに
3本ほど映画を見たような満足感が残った。

非人間的な使命を課せられながらも
職務を全うするプロとしての姿や苦悩、
かっこよさ、現実感がある「忍術」の見せ場など
これ一本で忍者は満喫できると思ったら、
シリーズ8作も作られていて嬉しいかぎり。
(監督はそれぞれ違うけど)

ぼちぼち見たらまた報告します。

監督: 山本薩夫
原作: 村山知義
脚本: 高岩肇
撮影: 竹村康和
美術: 内藤昭
音楽: 渡辺宙明
 
出演: 市川雷蔵 若山富三郎
藤村志保 伊藤雄之助 西村晃 岸田今日子 加藤嘉

*映画の中のイイおんな*
岸田今日子:驚くほど色っぽいです。信じがたいほど色っぽいです。
それもじと~っと湿気がある日本の夏・・ではなくて日本の女の色気です。
それでもってあのひそやかな「声」でしょう。
五右衛門もたじたじになる、大人の女なのです。

ブログランキングへ
応援していただけると嬉しいです


最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (dupre)
2006-07-14 16:50:17
捕まった藤村志保さんが首下まで埋められた中どうやって抜け出したのか、不明なんですよね。(苦笑)

現・猿若清三郎こと中村豊さんの壮絶な自殺シーンも見物でした。
Unknown (ブラボー)
2006-07-14 19:47:07
あれはよく似た他人なのでは

ないでしょうか>志保さんと首の女性



猿若清三郎(中村豊)さんの耳削ぎと

「顔削ぎ、シャッシャッ!」は

痛そうでしたね~忍者の見事な死に様でした!
『伊賀屋敷』が最高 (さすらい日乗)
2006-07-15 08:00:26
忍びの者シリーズは、どれもレベルが高いが、中でも森一生監督の『伊賀屋敷』が大好き。



才蔵の息子才助,勿論市川雷蔵が主人公で、知恵伊豆(山形勲)を狙う。さらに、由井小雪(鈴木瑞穂)と紀州大納言(北竜二)が絡む。



八千草薫が、女忍者で、私は高校2年だったが、セクシーさに、以後大ファンになった。
見ます! (ブラボー)
2006-07-15 09:40:32
「伊賀屋敷」は未見なので

ぜひ今回見たいと思っています。

森一生ですしね!



「忍びの者」は、はまりました。



今更ながら市川雷蔵の魅力に

感じ入っています。

コメントを投稿