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「寺内貫太郎一家」感想

2006年03月14日 | ★TV番組
リアルタイムで見ていたクチだが、
再見してみると、色々な発見があった。

まず、浅田美代子がうまかったことには正直驚いた。
田舎娘を生き生き演じた「ALWAYS三丁目の夕日」での
掘北真希にも負けない「味」があった。
樹木希林や加藤治子らのベテランを相手によくやっていたと思う。
歌はやっぱりへたくそだったけど(爆)、逆に可愛らしさをひきたてていた。

弱点も逆手に取ってチャーミングポイントにしてしまったのは
久世さんのプロデュースによるものだろう。
劇中に歌を入れるのも当時は無かったアイディアだった。

「ばあちゃん」の出番ってけっこう多かったんですね。

向田邦子の脚本が新鮮だ。
今のドラマには皆無の「父権」という言葉が浮かび、
涙ちょちょ切れるお父さんも多いのでは?

どこの家庭にもあるトラブルや小さな不幸も描きながら
バッチリ、ユーモアが効いている。
主人公に演技のど素人(小林亜星)を使うというのは
演出家に力がないとめちゃめちゃになるんだろうけど、面白かった。
いるだけで存在感ありますね。
それに伴淳三郎や左とん平、由利徹なんていう、
一言しゃべっても面白くて味があるベテラン喜劇陣がしめてくれますしね。

梶芽衣子に半纏をかけてやるシーンでは
伴淳が「ハンフリー・ボガード」に見えたのは
私だけでしょうか?

喜劇人といえば、最終回にちらっと出てきた財津一夫。
出てくるだけでドラマの流れをぶち壊すようなパワーがあって爆笑。
たぶんアドリブらしい台詞で、西城秀樹が下を向いて笑っているのがわかった。

それにしても久世さんは知性と、
並々ならぬセンスを併せ持った方だったのだなあとあらためて敬服いたしました。

淋しいです。

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