邦画ブラボー

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「妻は告白する」

2006年03月06日 | ★愛!の映画
若尾文子ファンなら地団太踏むこと間違いなし。

彩子(若尾文子)は薬学部の学生時代に
教授(小沢栄太郎)に無理やり犯され、愛のない結婚をする。

嫌々夫の趣味の登山に付き合ったある日
アクシデントで夫もろとも険しい岸壁に宙吊りになってしまう。

思わずザイルを切って助かった彩子に
保険金殺人の疑いがかけられ,
同行した幸田(川口浩)との間に愛人関係が噂される。

果たして故意の殺人なのか、不可抗力だったのか。
法廷シーンでは検事(高松英郎)が容赦なく彩子を追い詰める。
ドライな弁護人には根上淳。みんなで彩子をいじめすぎ!
サスペンスタッチの演出で先が読めない。増村監督うまいです。
ゴールデンコンビと云われる由縁もよくわかる。
若尾文子の魅力の引き出し方がさすがだ。

憎たらしい夫には、
「雁」でもいやらしさ全開の小沢栄太郎が、
同情から次第に婦人の求愛にほだされていく優柔不断な男を川口浩が好演。

判決も出ないのに
二人で海に行っちゃったりして唖然。

しかしこんな美しい人妻の猛烈アタックに
果たして耐えられる男子がいようか?

とも思うが。

棄てられそうになった彩子が、
ずぶぬれで幸田の職場に現れる場面は秀逸でした。

愛のためには大胆にも、
ヤケクソにも、捨て身にでもなんでもなろうという彩子が可愛い。
これですよ。

感情移入している
私の気持ちを代弁するかのように
元婚約者(馬淵晴子)が幸田をなじる。

いい脚本とメリハリがきいた演出で楽しめる、
若尾文子いじめな一本。

1961年 監督 増村保造 原作 円山雅也 
脚本 井出雅人 撮影 小林節雄 音楽 真鍋理一郎

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