邦画ブラボー

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「秘剣」

2006年03月10日 | ★ぐっとくる時代劇
松たか子のお父さんが主人公です。

孤児だった早川典膳(市川染五郎)は
細尾家に拾われ、少し年長の長十郎(長門裕之)とは兄弟のようにして育った。
剣の腕では道場一の腕前だったが、
剣術オタクで
せっかくの逢瀬にも剣三昧の話、婚約者をもドン引きさせる。

時は太平の世。腕に覚えがあるものは実戦に飢え、
通りがかりの乞食を試し斬りするていたらくだった。

そんな時、若侍たちの憧れ宮本武蔵が道場を訪れ、若者たちは熱狂する・
剣に生きる厳しさを全身にみなぎらせた月形龍之介の宮本武蔵
(いっぱい斬りまくった後のシニア武蔵です)が渋い!

一本気で 変わり者の典膳は同じく変わり者の武蔵を相手に
大見得を切ってしまい、
それが藩のお偉方や仲間たちの反感を買ってしまう。
出る杭は打たれる運命にあった。

現松本幸四郎は若いときのほうが
断然よかったんじゃないだろうか?
なんて書くとファンの方に怒られそうだけど
芸風が変わったというか、別人みたいに見える。
この映画では(市川染五郎だった)
いちずに剣術を極めようとしてぶち切れる青年を
演じていてすがすがしい。
今が清々しくないっていうのではありませんけど。(弁解)
ストレートな演技で野性味にあふれている。

唯一この映画の難点は、
典膳と並ぶ剣の達人が長門裕之で
殺気あるシャープな染五郎に比べ、
どうしてもそんなに強く見えないところ。
黒澤映画だったら仲代達矢あたりを持ってくる役柄ですね。

1963年 稲垣浩 監督作品
原作 : 五味康祐
脚色 : 木村武・稲垣浩
撮影 : 山田一夫 音楽 : 石井歓
美術 : 植田寛

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