邦画ブラボー

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「大江戸七人衆」

2004年12月04日 | ★ぐっとくる時代劇
この映画を見たのは、
市川歌右衛門と大川橋蔵と大友柳太郎と、
東千代之介と伏見扇太郎と南郷京之助、尾上鯉之助(これが七人衆)、
そして山形勲と横山エンタツと桜町弘子と千原しのぶと
花園ひろみと花柳小菊が見たかったから。

ようするに東映黄金期の時代劇が見たかったのです。

早く言え。

大友柳太郎の笑い顔はいつ見ても気持ちが晴れ晴れするようだ。
スケールがデカイ演技。ピンと張った声もいい。
快活、豪放磊落という言葉がぴったりだったのだが・・
「丹下左膳」と言えばこの人だけど(中村獅童もやってるけど、どないでっしゃろ?)
「台詞が覚えられない」と73歳で飛び降り自殺。役者一筋の人だったのか。
晩年の「北の国から」の哀愁の演技は忘れがたい。(泣)

市川歌右衛門はどうしても「旗本退屈男」のイメージが強く
どこにいても「殿様」である。

それにしてもこの二人の押しの利く顔はどうだ!

そして、まだ若く綺麗な声と顔を持った、
スターのオーラがムンムンの大川橋蔵、東千代之介。
この人たちが悪者になることは・・無い。

スターさんはともかく、
脇役陣、悪役陣が素晴らしい。
大部屋の役者さんも斬られる、飛ばされるのがうますぎ。
まさにプロの役者だ。
女優さんたちの所作が美しく惚れ惚れ。

ストーリーは簡単に言うと「勧善懲悪」です。
(簡単すぎですか)

「写楽」にも出てきたが、ここでも芝居小屋が登場。
升席に二階席、桟敷、花道と大変豪華な作り。
そこで大川橋蔵らが大暴れ乱闘を繰り広げる。

華やかな画面を浮かれて見ていたら、
大友柳太郎がズタズタに斬られ、のた打ち回るシーンが!!
髪もざんばらになり、刀傷もザックリ。凄まじい。
斬られても斬られてもなかなか死なない。

江戸時代の残酷画のような嗜虐美の世界であった!

残酷といえば、時代劇に拷問シーンってよくありますね。
この映画には出てこないけど
番所にしょっぴかれると、八割はバシバシやられる。
見なきゃいいのになぜか見てしまうのだった。

終わりはめでたしめでたしで、後味爽やかです。
娯楽時代劇の楽しさ満載。

1958年 松田定次  東映

この頃NHKのBS、いい邦画が目白押しで早くもHDDは満杯。

先日は松竹ヌーベルバーグ特集だったし、今月は
「忠臣蔵」も長谷川一夫のと、松本幸四郎のと、2種類ある~~!

クリスマスも暮れも正月もすっ飛ばして
映画を見て見て記事を書いていたいものである。

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