第27期オープンカレッジ
政治、経済、外交、福祉、医療、教育、そして何よりも環境対策について、日本という国の混迷・迷走はますます激しくなっています。
私たちの国は、これからどこに行ってしまうのでしょうか? 流れに任せたままでいいのでしょうか?
私たちはそうは考えません。どこに行くか、ではなく、どこに向かわせたいのか、向かわせるべきなのか、はっきりした見通し―主張があります。
この秋のプログラムとしては、日本人の精神性の原点である大乗仏教をさらに原点に遡って学ぶ講座の継続に加え、その大乗仏教を日本に導入し、「神仏儒習合」というかたちで日本国の精神性の礎を据え、我が国が目指すべき到達目標・国家理想を高々とかかげた聖徳太子の「十七条憲法」の現代的な意味を読み取る講座を設けました。
この2つの学びを通じて、私たちは日本の出発点・原点と向かうべき目標をはっきりと摑むことができるのではないかと考えていますが、とはいっても、あくまでも一つの提案であることも自覚しています。
どうぞ、参加して、ご一緒に検討しませんか。
●火曜講座は、秋以降の主幹のスケジュール過密のため、残念ながら、当分、休止させていただきます。
●木曜講座:「『十七条憲法』と緑の福祉国家――日本の原点と目標」
於サングラハ藤沢ミーティングルーム(JR、小田急藤沢徒歩3分)
9/11, 10/9, 23 11/13, 20 12/11, 25 木曜日18:45-20:45 全7回
聖徳太子「十七条憲法」は、日本初の憲法であり、日本が国を形成しつつあった時代にいわば「国のかたち」、国家建設の目標、国家理想を明文化したものでありながら、第一条の冒頭「和を以って貴しとなす」以外、その本当の内容は国民一般にはあまり知らされてきませんでした。
加えて最近の歴史学者による「聖徳太子不在説」の流行もあって、ますます印象が薄くなっているようです。
しかし、よく読みなおしてみると、そこには現代にも、いや現代にこそ通用するすばらしい国家建設の目標・国家理想が高々と謳いあげられていて、感動的です。
その理想は、保守・右か、革新・左かといった不毛な対立を超える普遍性をもっていると思われます。
本講座では、ただ条文の解釈をするにとどまらず、それを現代のものとして読み直すと、必然的にスウェーデンの目指す「緑の福祉国家」というヴィジョンと重なってくることを明らかにし、その妥当性について参加者全員で討議・検討をしていきたいと思っています。
テキスト:岡野守也『聖徳太子『十七条憲法』を読む』(大法輪閣)
*ミーティング・ルームでお頒けすることができます。
●金曜講座:「般若経典に学ぶ2――『善勇猛般若経』続」
於 不二禅堂(小田急線参宮橋徒歩5分)
9/12, 26 10/10, 24 11/14, 28 12/12, 19 金曜 18:30-20:30 全8回
紀元一世紀前後、それ以前の派を「小乗」、自らを「大乗」と呼ぶ仏教の新しい潮流が興り、自分たちこそ釈尊の真意・深意を伝えるものだという自覚によって『般若経』と呼ばれる経典群が新たに多数書かれたといわれています。
日本の仏教が「大乗仏教」であることは知られていますが、その教えの中身については必ずしもよく理解されていないようです。
本講座では、その中でももっとも後期に属しもっとも発展した内容を持つといわれる『善勇猛般若経』を通して、大乗仏教の教えの基本を確認する学びを続けています。
●講義の前に30分ほど坐禅を行います。
テキスト:現代語訳と漢訳を対照したコピーを配布しますが、書籍としては
『大乗仏典 般若部1』(中央公論社、文庫本は新刊、単行本は古書で入手可)
●受講料は、一回当たり、一般3、5千円、会員3千円、専業主婦・無職・フリーター2千円、学生1千円 それぞれに×回数分です。
●いずれも、申し込み、問い合わせは サングラハ教育・心理研究所・岡野へ、E-mail: okano@smgrh. gr. jp
または Fax.0466-86-1824で。