今日のことば 6: 喪失は自然なこと

2008年07月15日 | メンタル・ヘルス

 喪失は変化にほかならない。

 これが宇宙の自然の喜びとするところなのだ。

 その自然に従って万物は(うまい具合に)生起し、永遠の昔から同じ形の下に生起し、永遠に至るまで他の同様な形の下に生起していくであろう。

 しかるに君はなぜいうのか、すべては具合悪くできており、これからもつねに具合悪くあろうし、神々がどんなに大勢存在しようとも、これを正す力は彼らの中には結局見出されなかった。世界は絶えざる悪に悩まされるべく定められているのだ、と。

                      (マルクス・アウレーリウス『自省録』第九章35)


 マルクス・アウレーリウスは、ストア派、しかも折衷主義的だと評されます。

 確かにことばの表面だけを読むと、そうかもしれません。

 しかし、その覚悟の徹底性からくることばは、そういうパターンで理解しきれない、というか処理しきれない響きをもっているように思われます。

 この箇所でも、この宇宙には自分にとって具合の悪いことは起こっても、自然にとって不条理なことは起こらないことを、しっかりと再確認、覚悟しようという自省の深い思いが込められている、と感じます。




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コメント (2)
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