鮎川俊介の「幕末・明治の日本を歩く」

渡辺崋山や中江兆民を中心に、幕末・明治の日本を旅行記や古写真、研究書などをもとにして歩き、その取材旅行の報告を行います。

渡辺崋山『参海雑志』の旅-神島-その最終回

2015-04-23 05:22:24 | Weblog
 荘厳な日の出を眺めてから崋山が戻ると、さっそくご飯を進められました。飯は焚き下ろしたばかりで熱々ではあったものの、やはり昨夜のように小石混じりで石が歯にあたり、崋山は閉口します。弟の又右衛門が顔を出して、「兄の又左衛門は人別帳を整えて、未明に鳥羽の役所へ出掛けました。お客様のご機嫌よきようもてなすようにと言って出掛けたので、今日は島の見物はいかがでしょう。ご案内いたします」と申し出る。その後またご飯が出されて、これが正式な朝食であるようで、平椀、汁物、焼き魚などが出ます。l出された料理はみな魚肉で、汁にはわかめが入っている。朝食後、磁石や遠眼鏡などを携えて、崋山たちは又右衛門の後について島見物に出発します。時刻はもう午前10時近い頃でした。 . . . 本文を読む