鮎川俊介の「幕末・明治の日本を歩く」

渡辺崋山や中江兆民を中心に、幕末・明治の日本を旅行記や古写真、研究書などをもとにして歩き、その取材旅行の報告を行います。

2012.1月取材旅行「日本橋~板橋~戸田」 その1

2012-01-31 05:27:20 | Weblog
渡辺崋山は、天保2年(1831年)10月11日(旧暦)に、三宅坂の田原藩上屋敷にある自宅を出立して、中山道経由で桐生へと向かう旅に出ました。その目的の一つは、妹茂登(もと)が桐生の商家岩本家に嫁いでいたので、元気にやっているかどうかその様子を確かめることであり、もう一つは、武蔵国三ヶ尻(熊谷市三ヶ尻)が藩祖三宅康貞の旧領であり、系譜作成のためにその地の現地調査をするというのがありました。その年の9月には、大山街道を通って相模国の厚木町まで出かけ、浦賀経由で江戸に戻る旅をしていますが、その旅の記録(厚木町まで)は『游相日記』として残され、この桐生への旅の記録は『毛武游記』として残されており、三ヶ尻の調査結果は『訪瓺録』(ほうちょうろく)としてまとめられています。この旅行に同行したのは高木梧庵と下僕の弥助。高木梧庵は崋山の門人で、相州厚木への旅にも同行していた人。江戸に帰着したのが12月4日のことだから、2ヶ月近くにわたる長旅であったことになります。まずは日本橋から戸田まで、私も歩いてみることにしました。以下、その報告です。 . . . 本文を読む