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小説のレビュー、家族の出来事、趣味の事、スポーツ全般など、日々の出来事をつづりながら、一日一日を心豊かに過ごせれば・・・

何を訴えたかったのか?『彼女は頭が悪いから』by姫野カオルコ

2019年12月02日 | 小説レビュー
~横浜市郊外のごくふつうの家庭で育ち女子大に進学した神立美咲。
渋谷区広尾の申し分のない環境で育ち、東京大学理科1類に進学した竹内つばさ。
ふたりが出会い、ひと目で恋に落ちたはずだった。
渦巻く人々の妬み、劣等感、格差意識。そして事件は起こった…。これは彼女と彼らの、そして私たちの物語である。「BOOK」データベースより


姫野カオルコさんの作品は『リアルシンデレラ(★4.5)』、『ツ・イ・ラ・ク(★3.5)』に続いて三作目です。
色々な作家さんを読んでいますが、「3つ読んで3つとも当たり!」というのは、ほとんどありません。

この作品も、評価が難しいところですが、「良かったぁ~」とか、「おススメです」なんてことは全くありません。

2016年に実際に起こった事件をモチーフに描かれている半ノンフィクションのような感じです。
東大生が起こした事件ということで、世間ではかなりの耳目を集めました。またその後の被害女性に対するバッシングも相当なものがありました。

この小説は、そういうものごとに対して一石を投じるというか、「みんなも冷静に考えて欲しい」という著者の思いが込められていると思います。

ある程度、実際に起こった事件を下敷きにしている訳で、「ここまではフィクション→ここからは事実に基づいている」という境目が非常に曖昧です。

東大はしっかりと実名で表記されていることに対して、ヒロインの美咲が通っている女子大や、つばさが通った高校名などはモジった学校名になっており、いっそのこと、東大も、「帝大」とか別の名前にした方が良かったのかもしれません。

「東大叩き」みたいな雰囲気の文章が強調されているので、「東大に通っている学生は人格的におかしい」という感じに受け取れてしまいます。それは決して作者の本意では無かったと思うだけに、少し残念でした。

★★★3つです。
コメント
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