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そんなに悪い作品ではないよ『仮面同窓会』by雫井脩介

2018年09月07日 | 小説レビュー
高校の同窓会で、久しぶりに再会した旧友4人。
かつて生徒を囚人扱いしていた教師・樫村の変わらぬ姿を見た彼らは、恨みを晴らそうと仕返しを計画。
予定通り、暴行して置き去りにするも、翌日なぜか樫村は暴行現場から2km離れた溜め池で溺死体となって発見された。
いったいなぜ?そして、4人のうち誰が彼を殺害したのか?それぞれが疑心暗鬼に陥る中、新たな犠牲者を出した殺人事件が、高校時代の衝撃的な秘密を浮き彫りにさせる。
過去と決別できない者たちを巧妙に追い詰めていく悪魔の正体とは?「BOOK」データベースより


う~ん・・・、amazonレビューの評価が低いんですよね~(^_^;) 僕はそれなりに楽しんで読めたんですけどねぇ~。

展開も早かったし、兄の死や、真理の自殺などについての伏線の張り方も巧妙でした。

また、「」や〈〉の使い分けで、誰が言っているセリフなのかわかりにくくしたり、「心の声」のようなもので「二重人格」を表現してみたりと、雫井脩介氏は、中々の技巧派だと思いますよ。

まぁ、序盤から中盤にかけての緊張感が、クライマックスに差し掛かるあたりかのネタバレの段階に入ってくると、「兄えもん」の登場などで、コントのような雰囲気も出てきますが、それはご愛嬌で、面白く読ませていただきました。

「最後の一行が残念」とか言われていますが、まぁそれほどでもありません。

ミステリーとして充分通用する作品だと思います。


★★★3つです。


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