「心ゆたかな暮らしを」  ~Shu’s Page

小説のレビュー、家族の出来事、趣味の事、スポーツ全般など、日々の出来事をつづりながら、一日一日を心豊かに過ごせれば・・・

多分、訳者が悪い『わたしを離さないで』byカズオ・イシグロ

2018年04月06日 | 小説レビュー
〜自他共に認める優秀な介護人キャシー・Hは、提供者と呼ばれる人々を世話している。
キャシーが生まれ育った施設ヘールシャムの仲間も提供者だ。
共に青春の日々を送り、かたい絆で結ばれた親友のルースとトミーも彼女が介護した。
キャシーは病室のベッドに座り、あるいは病院へ車を走らせながら、施設での奇妙な日々に思いをめぐらす。
図画工作に極端に力をいれた授業、毎週の健康診断、保護官と呼ばれる教師たちの不思議な態度、そして、キャシーと愛する人々がたどった数奇で皮肉な運命に…。
彼女の回想はヘールシャムの驚くべき真実を明かしていく―英米で絶賛の嵐を巻き起こし、代表作『日の名残り』に比肩すると評されたイシグロ文学の最高到達点。アレックス賞受賞作。「BOOK」データベースより


ノーベル文学賞を獲った、カズオ・イシグロ氏の2006年の作品で、綾瀬はるか、水川あさみ、三浦春馬の出演でドラマ化された有名作品です。

まぁ、外国人作家が書いた作品は、訳者によって大きく左右されるのは言うまでもありません。

多分、原作を英語で読めば素晴らしいのかも知れません。

しかし、この訳者の文庫本は読むべきではないと思いました(-_-;)

セリフや情景描写がピンぼけで、なぁ〜んにも伝わってきません。

序盤で心が折れそうになり、中盤で力尽きそうになり、まさに青色吐息で終盤まで頑張りました。
440頁を読み終えるのに、一週間かかりましたわ(^_^;)

「そろそろくるか!クライマックスぅ!」と、期待しましたが、全くの期待はずれに終わりました。

臓器提供の為のクローン人間として生を受け、自分たちの将来にどんな悲劇が待っているのか知らされず成長していくなかで、恋をし、友だちと喧嘩をし、先生にささやかな抵抗をしたり・・・、そして最後には・・・。

とても自分に置き換えて考えることすら出来ないような物語の設定だけに、描写が大切なんですよ。

イシグロさんの作品のほとんどをこの訳者が手掛けていると思うと、「日の名残り」に手を出しづらくなりましたね。

★★2つです。
コメント
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