「遅咲き偉人伝」久恒啓一著より。
一筋型の人物としては、野上弥生子のほかに牧野富太郎、大山康晴、本居宣長、、石井桃子、平櫛田中などが取り上げられていた。
その中で、平櫛田中(でんちゅう)という名前はユニークだ。彼は107歳まで長生きして活躍した日本彫刻家だった。「六十、七十は洟垂れ小僧、男盛りは百から百から」という言葉を残している。
実際、百歳を超えても作品を作り続けていたのだ。代表作は「鏡獅子」で国立劇場のロビーに展示されているという。全長2メートルの作品で六代目尾上菊五郎の舞の姿で、完成までに二十年以上の歳月を費やしていた。その時田中は80歳を超えて、菊五郎は他界していた。
この作品を政府が田中に二億円で譲ってくれという申し出があったが断っている。永久貸与という形で寄付をしていた。現在の価値で六十億円だそうだ。
いずれにしても超高齢まで元気でいることさえ大変なのに、創作を続けられるというエネルギーにも驚かされる。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます