ちょっとマンネリですが・・・

ダラダラ過ごしている毎日のことあれこれ・・・・

壁のなかにはときどき、地図が、ミクロの街が見える。

2009年11月25日 | Weblog
「壁の本」杉浦貴美子著より。

つまりそれは素材が古くなって亀裂が入った状態のときに見えるものだった。壁に数本の亀裂が入ると、その隙間に雨が浸み込み、風が吹き付け亀裂はどんどんと広がっていく。

白い壁なら黒っぽい不規則な線が現れる。それはまるで地図のようにも見えてくるから不思議だ。そういえば、田んぼのひび割れも同じようなものだろう。

また、よく似たものを地元のバスターミナルで見かける。それはコンクリートの広い地面に、たくさんのひび割れができたらしく、そこに新たに白っぽいコンクリートが埋め込まれているのだ。それらの線はバスの路線図にさえ見えてくる。

ただの亀裂さえも見かたによってはおもしろい。また微妙に色がついた状態の不連続の亀裂は抽象絵画の名画のようでもあるな。そして、それらは時間の経過とともに地図の形を変え、ある日突然上塗りがされまったく別のものになってしまったり。

蛇足
私が購入した時にはこの本はセロファンで封をされていたが、たまたまウェブでこの本を見てみたら、腰巻がついていた。そこには“街中に絵があるれている。ヒビ、錆び、剝がれ、痕跡・・・。ありふれた壁に潜んでいる、偶発的な美しさとドラマ。”とあった。実にそそるコピーでもあるな。もちろんこれがなくても買ったが。

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