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「職人やデザイナーも本当はすごい確率で失敗している」

2008年01月15日 | Weblog
「丹精で繁盛」瀬戸山玄著より。

この本の中にはさまざまな職種で働く専門技術や独自のノウハウを蓄積した人たちの取材が丁寧に描かれていた。そのなかで日本の伝統職人技術に独自の挑戦で成功した左官職人、狭土(はざと)秀平さんの話があった。最近では有楽町にできている外資系豪華ホテル「ザ・ペニンシュラ東京」の壁面を仕上げていた。それは彼を含め8人の飛騨高山からきた職人によるものだった。

その最初の部分で筆者の瀬戸山氏が「人が真似できない物づくりの技を磨いて身につけていたら、もっと別の生き方も開けていたのではないか」と若い頃に妄想を抱いていたと語っているのが印象的だった。そして、それを実現していたのが狭土さんでもあった。現在は1年先まで東京での仕事の予定が詰まっているという。とはいっても、そこに至るまでは苦労の連続だったようだ。

自分では満足できない出来栄えではあっても、みんながいいと言って救われる場合も多いらしい。一般の人から見れば、それが失敗か成功かもわからないためであろう。それだけ自分のなかの完成度のレベルは高いともいえそうだ。有名デザイナーの作品だから絶対にいいとは限らないということになる。「むしろ失敗の中に成功例が残っていくに過ぎない」とも振り返っている。

物づくりの際、大道をいくと、結局オーソドックスで常識的なものになってしまう。だから、新しい物を作ろうとするなら、大道から外れる勇気も必要になってくる。創造をつかさどる右脳と論理思考の左脳のバランスが右6.5、左3.5がいいとこの左官職人は語る。誰もが認め感動できる丹精込められた仕事はこんなレベルから始まっているようだ。

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