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「型をもたない個人には他の型には常に圧倒される」

2009年03月08日 | Weblog
「考える人」坪内祐三著より。

これは唐木順三の言葉だったが、べつにこのフレーズについてあれこれ書くつもりはない。これは一つの例として挙げただけだ。筆者の坪内氏は各作家たちの著作を引用しながら、その人らしい“考え方”を考察している。

ここには16人の作家や文筆に携わった人たちをとり上げている。すべて故人だが有名な作家で読んだこともある人もいるが、まったく名前すら知らなかった人もいる。また、名前だけは聞いたことがあるが、大半は一冊をまるごと読んだ覚えがある人は数人だった。

その16人とは以下の人たちだった。小林秀雄、田中小実昌、中野重治、武田百合子、唐木順三、神谷美恵子、長谷川四郎、森有正、深代惇郎、幸田文、植草甚一、吉田健一、色川武大、吉行淳之介、須賀敦子、福田恒存。

これらの人たちの著作をほとんど読破していなければ、その人の“考え方”など想像できないだろう。筆者の坪内氏は、かつて読んだ本を再読しながら、また引用しながら書き綴っている。かなり根気がいる仕事にも思えた次第。

この本を一読してみて、ここに登場していた16人はみな深く“考える人”だということが印象として残った。またそれを考察していく筆者も実に“考える人”だとも感じた次第。これは一読して面白いというような本ではないが、じっくり味わえる一冊でもあるとは思えたな。

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