「週末はギャラリーめぐり」山本冬彦著より。
これは実にショッキングな発言でもあったが現実だ。私自身は美大の卒ではないが、絵画に関心があった頃は行きたいと思った一時期もあった。なぜ詐欺などという表現が使われたかといえば、簡単にいえば経済でいう需要と供給との関係が異常にアンバランスなことが原因だからだった。
つまり将来のプロの絵描きとしての夢を持って入学してくる美大生はやがて卒業するが、その後実際にプロとして自立できるのは約3%だという。ここには「今や美大・音大は巨大なフリーター養成所になっている…」という表現もあった。
美大・音大を出ても定職に就けない人が実に多いことがうかがえる。日本でプロの絵描きとして専業で生きていける作家は百人もいないのではないだろうか?と、山本氏は指摘する。
かなり名のある作家でも、大学や塾・カルチャーセンターなどで教えるなどの定職があるから描き続けられるようだ。そんな現実にもかかわらず夢を追う若者は多い。そして先の見えなそんな夢を追って、アルバイトで食いつないでいるうちに中年になってしまうこともややかわいそうにも思えてくる。
そこで山本氏は今のような大量の美大卒業生がいること自体がおかしいと指摘している。そして、美大や教師陣もそのことは承知のはずだったのだ。しかし、それを明らかにしてしまったら彼らもまた職を失ってしまう・・・。だから上記のフレーズになる。う~む・・・
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