ちょっとマンネリですが・・・

ダラダラ過ごしている毎日のことあれこれ・・・・

ストーリーさえ浮かんでいないのに、題名ができているわけはない・・・

2010年04月12日 | Weblog
「動詞の考察」佐野洋著より。

「動詞の考察」というのが、なんと!推理小説のタイトルだったので、ちょっと気になった次第。いったいどんなものだろうと手に取って目次を眺めてみた。そこには「合う」「切る」「する」「とる」「眠る」・・・「割る」というふうに10個の動詞が並んでいた。

それぞれが短編の題名になっていたのだ。実に風変わりな感じがした。このような動詞を選んだのには理由があった。佐野さんの癖で、締め切りぎりぎりにならないと小説のアイデアが浮かばないという。

ところが、編集者は(雑誌の)目次や表紙はカラー印刷だから早めに印刷に回さないと間に合わない、とせかされるとのこと。とにかく題だけでも早く渡してほしいと言われたそうだ。そこで比較的簡単な動詞を題名にしてしまい、あとはそれに合わせてストーリーを考えたのだった。

推理小説の場合は、犯罪が主要テーマで、たいていの犯罪には色と欲がからんでいるから、題名の動詞を考えているうちに、ごく自然に小説のストーリーが浮かんできたという。しかし、これはベテラン作家だからこその技だろう。

あとで、気がついたがそれらの動詞は『あ行』『か行』・・・というふうに『わ行』まで順番にきっちりと出来上がっていた。初めの段落のなかの「合う」「切る」「する」・・・からもわかる。それに気がついたのは筆者のあとがきを読んだ時だった。関係ないがこれもまるで、謎解きのようにも思えた次第・・・

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