素浪人旅日記

2009年3月31日に35年の教師生活を終え、無職の身となって歩む毎日の中で、心に浮かぶさまざまなことを綴っていきたい。

「みどりの風フォーラム~花・緑・生き物と人間との共生をめざして~」へ

2012年11月02日 | 日記
 月曜日にいずみホールであった“コスモス国際賞授賞式”と同じ国際花と緑の博覧会記念協会の主催のフォーラムでテーマに共通するものがあった。毎日新聞が共催している関係で参加者募集の知らせが大きく掲載されていたので申し込んでいた。
   中之島公会堂の大ホールで10分の小休憩のみで午後1時から4時59分まで中身の濃い内容であった。

 タイトルの「みどりの風」はドイツのシュツットガルト市での「風の道」計画の試みを範としているいう話に興味をひかれた。

 シュツットガルト(ドイツ)
①概要
所在地:ドイツ/シュツットガルト市
都市概要:ドイツ第3 の都市 人口約56 万人
自動車産業の中心地
特徴:丘陵からの風を市街地に導入する
「風の道」計画を策定
②開発の経緯
シュツットガルト市はすり鉢上の盆地の中に立地する都市である。その地形が冬季の
冷たい風から街を守っていたが、自動車産業等の産業発展とそれに伴う都市の発展によ
り大気汚染が深刻となり、この地形が逆に大気汚染物質を滞留させることとなった。
そのため、大気汚染問題の解消を目的に都市計画の策定過程に気象学者を加え、都市
気候の調査を行い、大気の流れを都市計画により制御させることとした。その後、夏の
暑熱化も問題となり、1980 年代には風向や風速などを詳細に調査し、その結果、市街地
を取り囲む丘陵からの風に着目し、この風を市街地に途切れなく導入させるために、風
の流れを位置付け、緑地のネットワークや建物形態の配慮といった、いわゆる「風の道」
計画を策定する事となった。


 基調講演は女優の真野響子さん。なぜ?と最初思ったが話を伺っていると日本の伝統文化や自然との共生ということに対して造詣も深く、女優業だけでなく他の分野でも積極的に活動されていることがわかった。神戸市立森林植物園名誉園長もなされているとのこと。新しい発見があった。

 事例発表では積水ハウス、イオン、大阪ガスの各担当者より“花・緑・生き物と人間との共生をめざす”取り組みについての話があった。積水ハウスの話の中にはすぐ隣にあるコモンシティ星田の街づくりのこともあり身近なものとして聴くことができた。大阪ガスの実験集合住宅NEXT21の話は興味深く聴かせてもらった。

 その後、「緑地環境学、地域生態学、サステイナビリティ学」専攻の武内教授を中心に「建築・都市環境計画」専攻の森山教授、「緑地生物学、生態環境評価学、景観生態学」専攻の加藤准教授、「内科学、疲労科学」専攻の倉恒教授、大阪府の土木関係の業務を歴任し現在大阪府副知事の小河氏による“みどりの風”を基軸にしたシンポジウムはそれぞれの専門分野からの話が立体的に組み合わされなかなか面白い内容であった。

 「風の道」という発想をもとにした都市、街づくりの視点は行政のトップが交代しても継続していってほしものだと強く感じた。緑の事業は“時間”のかかるものである。私も関心を持ち続けていきたいと思っている。
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