素浪人旅日記

2009年3月31日に35年の教師生活を終え、無職の身となって歩む毎日の中で、心に浮かぶさまざまなことを綴っていきたい。

泣き叫ぶ子

2022年08月08日 | 日記
 月曜日の夕方、ジムでは5,6歳児対象の水泳教室がある。いつも15時過ぎから受付が始まる。2Fのレッスンスタジオで更衣するのだが、4月以来母親と離れる不安からか泣き叫んでスタッフを手こずらせている子がいる。

 トレーニング室まで泣き声が聞こえてくる。今日も定刻に聞こえてきた。私を含めトレーニングをしている人達はもう慣れて、「月曜日」を再認識するのである。なだめすかすスタッフには心の中で「がんばれ!」とエールを送る。

 私は、その泣き声を聞くと「その子は幸せやな」と思ってしまう。辺りかまわず泣けるということは、その子が周囲の大人に信頼感を持っている証拠だと思うからである。

 周りの人たちに対して信頼感の欠如している私にとってはうらやましい気持ちに近いものがある。共働きの家庭に生まれ、今のように公的な保育体制の無い中で育ってきた私は、「周りの大人は自分の思い通りにはならない。」という諦念みたいなものが早い時期から存在していた。

 自分の思いを遂げたりするために泣いたり、思いに反したことに対して怒りをぶつける行為は、「相手への信頼感」があってこそできるものだと思うからである。

 5歳になった孫も、けっこう自己主張をして、周囲へ泣いたり怒ったりするようになった。娘とも激しくバトル場面も見受けられる。そういう時、「私には無かったな」とむしろ微笑ましい光景として映る。

 信頼感の欠如が根っこにあるため、自分のとった言動で誤解を生じさせることもあるが、今となってはいかんともしがたい。月曜日の午後にいつもそういうことを思い起こさせてくれる泣き声である。いつまで続くのかな?も興味あるところ。
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