素浪人旅日記

2009年3月31日に35年の教師生活を終え、無職の身となって歩む毎日の中で、心に浮かぶさまざまなことを綴っていきたい。

鹿島ー川崎戦のこと 納得できません

2009年09月17日 | 日記
 12日のJ1鹿島ー川崎戦が後半29分の時点で、大雨によるグラウンド不良を理由に中止になった。という記事を見た時、『それは ないやろ』とまず思った。

 高校時代と教師になってサッカー部顧問として、長いことサッカーと付き合ってきたが、こんな理由で中止にしたことはなかった。生徒には常々「サッカーでは、雷と雪によるグラウンド不良以外は試合はある。」と話してきた。だから、どんな状況でも力を発揮できるように、日頃から《動じない心》をつくることに腐心するのである。大雨、強風、寒さ、酷暑、ピッチの広さ、レフリーの判断などで厳しさを強いられる試合を重ねる中でしか、見せ掛けではない真の強さはつくられないのである。

 次のことについて、情報がないと思っていたら、やっと昨日の新聞に《中断時から再開》という理事会の決定が出ていた。『pそれは mfそれは fそれは ffないやろ』と心で叫んだ。

 過去、J1とJ2で、試合開始後に中止となった公式戦5試合はすべて再試合である。Jリーグ規約は「原則として再試合」と明記されている。“原則”という逃げ言葉にしがみついて、どんな話し合いをしたのかしらないけれど、①再開②再試合③打ち切り成立の3案を検討したみたいである。
 順番から言えば、再試合(過去99%以上実施)⇒打ち切り成立(日本対アルゼンチン戦雷雨中止のみ)⇒再開(前代未聞)だろう。

 サッカーは過程のスポーツだと思う。3-1で川崎リードで再開し、試合時間は残り16分とロスタイム。意味があるのか?ということ。90分のゲームだが、一つずつのプレーの積み重ねの中で3-1という結果になっているが、本当の勝負は残り10分にある。10月7日まで間を空けて、それで1つのゲームというのでは、今までのサッカーというゲームを支えてきた精神的な支柱が大きく揺らぐように思う。日本のサッカー競技の最高峰であるJ1だからこそ、もっとしっかり判断をしてほしかったと思う。

 昨年の夏、全中予選大阪大会準決勝で、後半残り9分のところで雷のため中断、2時間ほど待ったが回復せず中止。3-1のスコアであったが、翌日0-0から再試合という経験をした。結果3-2で敗退して近畿大会出場を逃したわけだが、保護者を始め、各方面で論議を呼んだ。

 高槻で落雷によって高校生が一生ハンディを負うという事故もあり、選手の安全が最優先されなければならないのは当然である。そのために、事前に予備日と予備会場まで確保されている。中止になった時は、再試合ということが、中央大会の抽選会の場で確認されていたので、さまざまな思いはあっても納得していったと思う

 あの時、保護者に事前の取り決めがあったことを説明し、生徒の気持ちを切り替えさせ、明日の早朝のバスの手配をし、翌日にある市の3年生大会に2年生を出場させる段取りと大変ではあったが、一番しんどかったのは、試合運営に携わった審判と会場責任者だったと思う。事前の確認事項がしっかりあったこそ勇気ある決断ができたと思う。自分が逆の立場で、笛を吹いていたら、残り9分で中断できただろうか?と問い返してみた。一瞬の躊躇が大きな事故につながることも多い。
 
 大切なことは、利害関係が見える前に、しっかり想定してルールを決めたかどうかである。その点でいえばJリーグは泥縄であったと思う。そして、その影響は大である。悪い前例をつくってしまったと思う。川崎と鹿島の両社長はコメントで「公平」な判断と言っているが、まちがっている。次に一番問題になるのは、審判、会場責任者の判断基準である。何をもって中止にするのか非常にむずかしいことになる。そこまで煮詰めて結論をだしたとは、チェアマンと両社長のコメントを読む限り思えない。

 いろいろな人の利害がからむ事柄であればあるほど、事前にしっかりイメージして、余裕のある時にしっかり論議して、原則を打ち出しておく必要がある。その労力を惜しんで、目の前に迫った時に、自分の利のみを考えて大原則をくずすことを主張することは慎むべきであるし泥縄の対応策をとるべきではない。

 このことは、ことサッカーだけのことではなく、昨今の政治の世界でも、痛切に感じることである。リーダーはもっと熟慮してものを言い、行動してほしい。マスコミも派手なパフォーマンスのみを追いかけないでほしい。

  

  
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