素浪人旅日記

2009年3月31日に35年の教師生活を終え、無職の身となって歩む毎日の中で、心に浮かぶさまざまなことを綴っていきたい。

衆議院選挙公示

2012年12月04日 | 日記
 16日の投開票までの12日間の戦いの火蓋が切られた。さすがに今日のテレビ、新聞は選挙一色となった。

 “余録”では古代ローマのキケロが執政官に立候補した時に弟が指南した選挙戦術の紹介があった。

「すべてのつながりを動員せよ」「人々に希望を与えよ」「とにかく何でも約束せよ」「仮に約束を守らなくても、結果ははっきりしないし、その余波を受ける人は少ない。だが約束そのものを拒絶すれば人々の怒りをかう」貴族らには大衆迎合と思われぬようにせよ。大衆の求めには愛想よく応じよ。会う人ごとに態度を変えて売り込め。対抗馬の醜聞を暴き立てよ。

 2000年以上前の戦術とは思えないところがおかしいやら悲しいやらである。

 毎日新聞論説委員長の倉重篤郎さんが書いているように、政治とは、対立する利害を、ある理念に沿って双方が結果的に納得する形で調整する技術である。そして人類は長い年月をかけて選挙という方法にたどりついた。先人が苦労して獲得してきた権利を無駄にしてはいけない。倉重さんは「4年を託す吟味と覚悟を」有権者に求めている。

 各党首の訴えを聞いていて物足りなさを感じるのは、”~をする”だけでそのことから生じるデメリットの部分まで深く突っ込んでくれていない。ということである。何かを成し遂げようと思えば我慢すべきことも出てくるだろう。そのことについてきちっと話をしてくれる政治家は信頼できるのかなと思っている。

 マスコミも“落ち着いた選挙を”という姿勢で報道に臨んでいるような印象をうける。じっくり考えていきたい。
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