W杯南アフリカ大会の日本代表メンバー23人が発表された。岡田監督にとっては大変な作業であったことは推察できる。彼は「監督にとって一番大切なことは決断することだ。」と言い切る。裏を返せば「結果については監督が全て責任を引き受ける。」ということだと思う。『言うは易し、行なうは難し。』である。ついつい選手やその他の条件に責任を押しつけたくなるものである。監督は“孤独”に耐える必要がある。
サッカー部顧問としての最後の年、20名の3年生がいた。公式試合に登録できるメンバーは20名。チーム構成から考えると2年生を2~3名入れるのがであった。必然的に3年生の中で2~3名登録されない者が出てくる。予選レベルであれば、さほど厳密ではないが、中央大会へ行けば登録以外のメンバーはベンチに入ることはできない。3年生だけで最終登録をするか、2年生を入れてのいつも通りの登録をするかの決断はむずかしかった。
ありとあらゆることを想定しながら、日々の練習、学校生活の様子を見ながら考え続け、最終的には「3年生だけの登録にする」という決断をした。当然、チーム内に疑問が出ることはわかっていたので、発表前日に3年生だけを集めて、自分の思いは伝えた。「なんで?」という意思を表す生徒もいたが、全員が納得できる説明はできない。集団があれば、いろいろな立場からの意見があるのは当然である。それらに耳を傾けるのは大切だが、集団をまとめ、前に進めるためには監督の決断が必要である。
生徒にされて、答えるのに困った質問が2つあった。「どうしたらレギュラーになれるのですか?」と「どうして、この試合で使ってもらえなかったのですか?」複雑な要素がいっぱいからみあってのことなので、簡単に説明できない。鳩山流に言えば「Trust me」。その言葉が説得力を持つかどうかは、日々の自分自身の言動にかかっている。監督(=リーダー)の厳しさはそこにあるように思う。
今回のワールドカップへの対応は結構冷静であると思う。海外の試合を見る機会も増え、日本の中に“サッカーを見る目が肥えてきている”のではないかと思う。日本の置かれている位置でいえば、勝負に臨んで、ワイワイと盛り上がる必要はない。虎視眈々とサプライズを狙うべきだと思っている。サッカーは“何が起きるかわからないスポーツ”である。戦前の評価はあてにならない。実際、私自身の小さな経験でもたくさんあった。数えられないぐらいシュートをされても、2回のシュートチャンスの1回をものにして勝ったこともあったし、その逆もあった。
“ベスト4”を目指してもよい。そこに到る過程をじっくり眺め、楽しみたい。一般の人よりもマスコミ関係にもっと成熟した目がほしいといつも思う。
『決断』という言葉で、本棚にあった会田雄次著の『決断の条件』という本を35年ぶりに取り出して読んだ。この本は、人間の決断に関する種々相を、マキァヴェリをはじめ孫子、韓非子など戦乱に生きた大陸の偉大な先哲の言葉と、古今東西の歴史的事実を例にとりながら説いている。
その中の1つ、マキァヴェリの言葉。「現実をあしざまに罵り、過去をたたえたり、未来に憧れたりするのは、あぶない欲求不満の人々である。」
サッカー部顧問としての最後の年、20名の3年生がいた。公式試合に登録できるメンバーは20名。チーム構成から考えると2年生を2~3名入れるのがであった。必然的に3年生の中で2~3名登録されない者が出てくる。予選レベルであれば、さほど厳密ではないが、中央大会へ行けば登録以外のメンバーはベンチに入ることはできない。3年生だけで最終登録をするか、2年生を入れてのいつも通りの登録をするかの決断はむずかしかった。
ありとあらゆることを想定しながら、日々の練習、学校生活の様子を見ながら考え続け、最終的には「3年生だけの登録にする」という決断をした。当然、チーム内に疑問が出ることはわかっていたので、発表前日に3年生だけを集めて、自分の思いは伝えた。「なんで?」という意思を表す生徒もいたが、全員が納得できる説明はできない。集団があれば、いろいろな立場からの意見があるのは当然である。それらに耳を傾けるのは大切だが、集団をまとめ、前に進めるためには監督の決断が必要である。
生徒にされて、答えるのに困った質問が2つあった。「どうしたらレギュラーになれるのですか?」と「どうして、この試合で使ってもらえなかったのですか?」複雑な要素がいっぱいからみあってのことなので、簡単に説明できない。鳩山流に言えば「Trust me」。その言葉が説得力を持つかどうかは、日々の自分自身の言動にかかっている。監督(=リーダー)の厳しさはそこにあるように思う。
今回のワールドカップへの対応は結構冷静であると思う。海外の試合を見る機会も増え、日本の中に“サッカーを見る目が肥えてきている”のではないかと思う。日本の置かれている位置でいえば、勝負に臨んで、ワイワイと盛り上がる必要はない。虎視眈々とサプライズを狙うべきだと思っている。サッカーは“何が起きるかわからないスポーツ”である。戦前の評価はあてにならない。実際、私自身の小さな経験でもたくさんあった。数えられないぐらいシュートをされても、2回のシュートチャンスの1回をものにして勝ったこともあったし、その逆もあった。
“ベスト4”を目指してもよい。そこに到る過程をじっくり眺め、楽しみたい。一般の人よりもマスコミ関係にもっと成熟した目がほしいといつも思う。
『決断』という言葉で、本棚にあった会田雄次著の『決断の条件』という本を35年ぶりに取り出して読んだ。この本は、人間の決断に関する種々相を、マキァヴェリをはじめ孫子、韓非子など戦乱に生きた大陸の偉大な先哲の言葉と、古今東西の歴史的事実を例にとりながら説いている。
その中の1つ、マキァヴェリの言葉。「現実をあしざまに罵り、過去をたたえたり、未来に憧れたりするのは、あぶない欲求不満の人々である。」