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ミッドセンチュリーに生まれた世代が、次のステップを
見据えて“終の棲家”を作る。ミステリアスな家が
できるか?

耐力壁・・効果発揮のコツ3

2013-03-31 | 家造り
最後の効果発揮のコツは・・・

⑤梁間・桁行き方向の配置バランスを均等に
 プラン上、開口を広く確保するため、南面に耐力壁を少なくして、
 北側の水廻り部分に耐力壁を多く配置すると、地震や台風などの
 水平力によって、建物に捩れが生じて、大きな被害が発生することがある。
 建築基準法では、このような被害を防ぐため、「各階の梁間方向、及び桁行き方向に
 それぞれ壁を設け、又は筋交いを入れた軸組みを、釣り合いよく配置しなければならない」
 と規定している。

⑥局所的に、高倍率の耐力壁を設けない。
 大きい壁倍率の耐力壁を局所的に使うと、その部分に力が集中して、
 負担が大きくなるため破壊が生じ易くなる。
 このような事から、壁倍率の小さい耐力壁を、できるだけ多く設置すると共に、
 釣り合いよく配置することが、より効果的である。

耐力壁・・効果発揮のコツ2

2013-03-30 | 家造り
まだまだあるコツは・・・

③耐力壁線と基礎は一致させる。
 基礎は耐力壁が受けた外力を、地盤に伝える役割を持つ。
 耐力壁は基礎と一体になっていないと、地震や風などの水平力に
 耐える効果が弱まる。よって、1階の耐力壁線の下部には基礎を設け、
 耐力壁と基礎が一体となっていることが重要である。

④耐力壁は建物の隅角に置くことが大事
 同じ量の耐力壁を、建物の外周に配置する場合と
 内部に配置する場合、耐力においてどちらが有利か・・・
 建物に地震や風などの水平力が均等に生じるならば、
 性能は同じであろうが、均等な力が建物に生じることは稀である。
 どちらかに偏った力が生じた場合、建物は捩れようとする。
 この捩れくささを比較すると、外周に多くの耐力壁を配置しているほうが有利。
 しかも、建物の四隅は最高ポジション!

配置しよう・・・耐力壁

2013-03-24 | 家造り
耐力壁の効果を発揮させるコツ!

①外側を“耐力壁面”でぐるりと囲む。
 建物の外周は耐力壁線で囲むことが重要!
 耐力壁線は一定の耐力壁が確保された壁の通りで、地震や風の水平力が
 流れる道となる。
 建物がマッチ箱のような形を維持するためには、箱の外周が
 しっかりした面で囲まれていることが重要である。

②上下階の耐力壁は、位置を一致させる。
 構造設計上、地震力・風圧力は上から下へ流れると考える。
 上階で受けた力を下階へスムーズに伝える為には、耐力壁の位置が
 上下階で繋がっていることが、構造的には一番有利となる。
 その為、地震や台風などの外力の通り道となる耐力壁線では、
 特に上下階の耐力壁の位置を繋げることが望ましい。

存在壁量を算出する前に・・・

2013-03-23 | 家造り
地震力・風圧力に対して損壊しない壁長さを算出したが、
これらの耐力壁はどのような作り方をして、どのように配置すれば良いか・・

壁量は 壁量=壁倍率×耐力壁の長さ で算出される。

ここで言う「壁倍率」から解き明かそう。
耐力壁が、外力に対して持ちこたえる強さを倍率で表しているのが、壁倍率である。
壁倍率1は、長さ1mにつき200kgf(1.96kN)の耐力があるということを表している。
壁倍率は「材料の種類」に応じて定められた、単位長さ当たりの「壁の強さ」と言える。

壁倍率は、0.5~5まで0.5単位で分かれており、以下に事例を記載する。

 耐力壁              壁倍率

・土塗り壁(片面)         0.5
・石膏ボード(12.5mm厚)      1.0
・筋交い(30×90mm以上)      1.5
・ハードボード(5mm厚)       2.0
・構造用合板(7.5mm厚)       2.5
・筋交い(90×90以上)       3.0
・筋交い(45×90mmたすき掛け)   4.0
・筋交い(90×90mmたすき掛け)   5.0

一例を挙げれば、以上のような倍率が規定されている。

これらは組み合わせることができるが、壁倍率5を超えることはできない。

必要壁量を求めるには風の影響も検討しよう

2013-03-17 | 家造り
風圧力については、建物の見付面積に対して、
最低限確保しなければならない耐力壁の量が、建築基準法施行令46条で
定められている。 

算出方法は下記の必要壁量に各階の見付面積緒を掛け合せて算出

        必要壁量(見付面積当たりcm/㎡)
風が強い地域  50~75の間で特定行政庁が定めた値         
その他の地域  50
        
それでは各階の見付面積を算出してみる。

        

        見付面積

中央に描かれたのは、1階平面図。
上段から右回りに、1階桁行き方向の見付面積、1階梁間方向の見付面積、
2階桁行き方向の見付面積、2階梁間方向の見付面積を算出した。

計画地は、特に風の強い地域ではないので、50cm/㎡で計算する。

     桁行き方向          梁間方向       
1階 33.03×50=1501.5cm・・・15.1m  50.56×50=2528cm・・・25.3m    
2階 11.41×50=570.5cm・・・5.71m  23.03×50=1151.5cm・・・11.6m   

前回検証した壁長さを含め、これらのうち最長の壁長さを、必要壁量という。

方向   階  必要壁量
        風圧力    地震力
桁行方向 2階  5.71m    6.9m
     1階  15.1m    19m
梁間方向 2階  11.6m    6.9m
     1階  25.3m    19m

赤字で標記した長さが、必要壁量になる。

この壁量に対して、今回計画した建物の「存在壁量」を算出して、
必要壁量以上を確保できていれば良いことになる。

壁量設計

2013-03-16 | 家造り
建築基準法では、
  ・2階建て以下
  ・延べ床面積が500㎡以下
などの木造住宅は、構造計算を必要としないが、その代わり構造安全性を確認する
「仕様規定」が設けられている。これが“壁量設計”であり、木造の耐震性を確認できる
一番簡単な方法といえる。

木造の耐震・耐風・耐積雪に関する構造規定では、壁を重要な耐震要素と考え、
建物に必要とされる「量」の壁を、釣り合いよく配置することで、構造安全性を
担保するようにしている。

更に、耐震壁がその効果を発揮するために、接合部の強さもしっかりチェックする
必要があるとしている。壁量設計は、これら一連の項目を全て満たすことで
成り立つ。

それでは、地震力に対して必要な耐力壁の「量」を求めてみよう。

屋根の種類  必要壁量(床面積当たりcm/㎡)
       平屋   2階建て   3階建て
            1階  2階  1階  2階  3階
軽い屋根   11    29  15   46  34  18
重い屋根   15    33  21   50  39  24

必要壁量=床面積×床面積当たりの必要壁量

          

          1階プラン

今回の計画は、上記プランで1階床面積は65.069㎡
屋根の仕様は、金属板・スレート等の軽い屋根なので、
29cm/㎡の壁長さが必要になる。

必要壁量=65.069×29=1887.001cm・・・約19mの壁長さが必要になる。

同じように2階は・・・

          

          2階プラン

因みに2階床面積は、45.533㎡

必要壁量=45.533×15=682.995cm・・・約6.9mの壁長さが必要になる。

それでは、今回計画の存在壁量(計画した耐力壁の長さ)は、どれ程あるのだろうか?

ユーティリティーの窓は小さめに・・・

2013-03-10 | 家造り
脱衣・洗面とユーティリティーを兼用した部屋では、

二つの違った機能を、満足させなければならない。

一つは遮蔽。脱衣室が、丸見えでは困る。

一つは家事労働。これは明るき気持ちのよう空間が好ましい。


          

          20130310

左手に家事カウンターを書いた。

その前には3連の窓が・・・高さは、床から1m程で良いだろう。

椅子に座ったとき、顔の正面に。

こちらは南面で、隣家の距離もかなり近くなるはず。

隣家の2階から覗き込めないように、低い位置に設ける。

それでも不安な時は、中段にカフェカーテンを取り付ける。

レースなら、明るさをキープした上で、程よい目隠しとなる。


正面は洗面カウンター。

カウンタートップの仕様なら、下部にはゴミ箱が入る。

浴室には、必ず置き場を確保しよう。


右手は浴室。

出入り口を含め、開口部は可能な限り、ガラス壁にしよう。

浴室は2帖ほどあるので、脱衣と浴室が一体的に見通せれば、

開放感と明るさが確保できる。


小さな空間ほど、仕切らずに大きく使う。

間取りを計画するときは、常に心掛けよう。

1階水廻り・・ユーティリティースペース

2013-03-09 | 家造り
洗面・脱衣・洗濯・家事スペースを

オールインワンで計画。


           

           20130309

幅3.6メートル、奥行き1.36メートルの空間に、上記機能を凝縮させた。

左から洗面化粧台・・・幅は1m。機能的な最小幅。

L型にカウンターを廻したので、それ程チープな感じは、無いと思う。

カウンターの続きには家事カウンターが繋がる。

家事カウンターでは、アイロン作業とかが考えられるので、奥行きは45センチ確保。

正面の壁には、3箇所窓が付いているので、十分な採光が確保できる。


合わせて、上部ユニットバス~浴室出入口~ユーティリティー窓へと、南北への通風を

確保した。水廻りでは湿気対策として、通気換気を確保しよう!


家事室には、乾燥機付き洗濯機を設置。

このワンルームで、家事作業の1/3をクリアー。

あちこち動き回らずに、作業できることは、

主婦の家事労働削減に繋がる。


勿論、下着類もカウンター下にキープ。

キャスター付きの収納ケースは、家族全員の下着類を収納できる。

汚れた下着類は、洗濯機上部の棚に置いておけば、

翌日洗ってもらえることに・・・

乾燥した洗濯物は、家事カウンターでアイロンがけができる。

主婦はこの部屋を出ることなく・・・全て完了。


因みに・・・家事室の上部は、2階から使う収納。

天井に収納された階段を下げれば、家事室からも2階の収納スペースに

入ることができる。


忍者屋敷風の、楽しい使い勝手が計画できた。

駐車場屋根の作り方

2013-03-03 | 家造り
オープンデッキ下を駐車場として利用するとき、

デッキからの、物の落下対策・・・

屋根付き駐車場として利用するためには、

工夫が必要。


          

          20130303

今回は木製デッキ下に、防水性のある天幕を張ることにした。

デッキ板を、どの程度の間隔で張るかによるが、

隙間から落下する食材・器物が車の屋根に落ちることなく、

雨の日には、雫が車の屋根にかからない・・・


天幕のシートは、可動式にしよう。

固定式の屋根を設けると、建築面積・床面積にカウントされかねない。

因みに・・このデッキは、どのような面積カウントがされるのか?

バルコニーと同等とすれば、先端から2mの範囲は、ノーカウント。

50センチ分が床面積となるか・・・

建築面積は・・・庇が付いていないので、ノーカウントか。

何れにしても、詳細は監督官庁と協議したほうがよい。

リビングのジャパニーズコーナー

2013-03-02 | 家造り
ジャパニーズコーナー・・・聞きなれない言葉。

リビングの中に、畳を敷き込んだコーナーを作ろうと言うこと。


          


          20130302

左下に平面を・・・。置き畳みを敷き込んだスペースは、4帖分。

90センチ角の畳を8枚敷き込んだ。

ここで検討することは、置き畳みの位置。

リビングのフローリングに合わせて、敷くことも出来る。

これだと、今流行のバリアフリー!足腰の弱くなった高齢者には better 。

床下には、収納が取れるだろう。

跳ね上げ式の畳にすれば、上部から取り扱いが出来る。


今回は、畳を45センチ(これは椅子の座面の高さに近い)上げて、下部を収納にした。

キャスターを付けた引き出しを、手前に引き出す形式。

床面にガイドレールを設置したら、容易に引き出せるだろう。

チョッとした、小上がりが出来た。


45センチ持ち上げたのは、リビングの床を同一面で、一体に作りたかったから。

床の剛性が高まれば、建物がより堅固になる。

リビングの外周に吹抜けを取った為、2階床と外壁の接続面が少ない。

部屋内の耐力壁と、剛性床面の接続は、水平力に有効に効くだろう。


ジャパニーズコーナーの左側には、屋根裏収納を設けた。

ここは1階の屋根裏で、2階レベルからは段差無しで入れる。

一坪あるので、高さが1.4mまでの物は、ここに収納できる。


小規模の住宅ほど、多くの収納を確保して、

気持ちよい生活空間を創ろう。