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ミッドセンチュリーに生まれた世代が、次のステップを
見据えて“終の棲家”を作る。ミステリアスな家が
できるか?

高野槇(コウヤマキ)・・国産針葉樹

2018-03-31 | 建材
日本固有の希少な木であり、
建具以外の用途が多い。

だが・・・柾目材は数量が少ないが、
建具材としては、良材である。

木理は通直、木肌は緻密で
加工性はすこぶる良い。

樹脂成分を多く含んでいるため、
加工面は蜜蝋を塗ったような感触がある。


汚れが付きやすく、
表面を仕上げてからの取り扱い、
塗装には注意を要する。

年輪は密で、
伐採後の乾燥、
温度の変化による収縮、
変形は少なく、
非常に安定している。

木材としても、
反り、捩れの非常に少ない木である。

耐水耐湿性にも優れ、
耐久性のある木材である。



材色は辺材が白色、
心材は淡い黄白色。

心材には独特の香気があり、
加工後も長期間発散する。

木曾(長野県)、高野山(和歌山県)が主な産地。

比  重 0.42
耐水耐湿 特優
切削性  優
仕上げ  良
着  色 要注意
入  手 難
コスト  0.65

杉は・・・色板を組み合わせて使う。

2018-03-25 | 建材
杉を用いた建具の場合、
赤身(心材)で色合わせするのが常識。

赤身の落ち着いた色は、
杉独特の味わいがある。

しかし・・・
まったくランダムに白太(辺材)を
取り交ぜて使うことにより、
自然な木材の色調を、表現できる。



柾目と板目で、
こんなにも表情が違う。

端正で軽快な空間では、
多彩な色差は視覚的に煩雑となる。

何れにしても・・
杉は色が多様であり、
室内空間、建物に合わせる事が肝心。


ついに出てきた・・スギ。国産材で一番馴染みな建具材

2018-03-24 | 建材
杉花粉のこの時期・・・
国産材で一番馴染みの深い
杉材の材質を検証しよう。



比較的軽軟な木だが、
晩材は強堅であり、
仕口強度、金物の保持強度などは、
期待できる。

加工性、表面の仕上がりは良いが、
繊維に直角方向の刃物切れは
良くない。

辺材は白色~乳白色。
心材は淡い赤色~濃い赤褐色、黄褐色、黒褐色など
色幅がある。
色の濃い心材は、
耐水耐湿に優れる。

辺材心材の境目は極めて明瞭で、
早材と晩材の色、硬さの差が大きいため、
木目も明瞭である。

柔らかさ、くつろぎを感じさせる
渋みのある色が好まれ、
小間の茶室、数寄屋の建具材としては
定番である。

国産建具材としては最も一般的で、
おもな産地は、
秋田県、埼玉県、奈良県、三重県などが有名。
特に秋田杉は有名で、
木目が密で一定、
心材の色もそろっており、
古くから建具材として、
重用されている。

比  重 0.38
耐水耐湿 良
切削性  優
仕上げ  良
着  色 良
入  手 易
コスト  0.3

国産ヒノキ科では最後の樹種・・ネズコ

2018-03-18 | 建材
ネズコ・・鼠子
こんな字を書く。
別名クロベ・黒檜・黒部、クロベスギ

ヒノキ科の木で、
昔から使われてきたが、
その割に知名度は低い。

成長が遅いうえ、
植林に向かなかったため。

木目は密で通直、
辺材の幅はわずかで、
加工性もよい。

材は軽軟で切削性は良いが、
檜のような表面の光沢はない。



辺材の色は黄白色
心材はその名の通り、
鼠色がかった黄褐色。
その色は、時間とともに濃さを増す。

表面の光沢に乏しいため、
きわめて地味な表情。

建具材としては、
落ち着いて、
渋みのある表情を生かしたい。

耐水耐湿性に優れ、
外部建具にも使われ、
控えめな味わいのある
外観が期待できる。

産地は本州、四国の山岳地域。
主に中部山岳地帯だが、
全て天然木だから、
出材料は少ない。

比  重 0.33
耐水耐湿 優
切削性  優
仕上げ  良
着  色 良
入  手 難
コスト  0.5

檜の仲間の檜葉(ヒバ)

2018-03-17 | 建材
檜葉はヒノキ科の木で、
別名ヒノキアスナロと言う。
檜になれなかった木が、
明日には檜になろうと・・言ったとか、どうとか?

早材、晩材ともに材は緻密で均一、
成長が遅いため、
年輪は密で強度があり、
早材部分はわずかである。

重さは中程度。

加工性は比較的良いが、
木理が通直な材が少なく、
反り、捩れが起きやすい。

鉋仕上げの際、逆目が起きやすく、
着色した場合、
逆目の部分が濃く斑になるので、
注意が必要。

辺材が白色~淡い黄色
心材は青みのある黄色~黄褐色と
針葉樹としては地味な色合いである。

精油成分が多く、
耐水耐湿性に非常に優れ、
独特の匂いがある。



建物の土台、外壁等
耐水性の要求される部分に、
多く使われる。

産地は
北海道南部~東北北部、
中でも青森県産のヒバは、
「青檜葉」として有名である。

比  重 0.41
耐水耐湿 特優
切削性  良
仕上げ  良
着  色 要注意
入  手 可
コスト  0.45

椹(さわら)・・柔木

2018-03-11 | 建材
椹は針葉樹の中で、
最も柔らかい木である。

淡い黄褐色の色、
きめ濃やかな木肌、
檜に似てそれより穏やかな芳香など、
優しさ、しとやかさを感じさせる木である。

しかし、建具材として使用する際は、
椹の柔らかさは難点となり、
作り方によっては、強度に不安がある。

解決策としては・・・
仕口の数を多くとる意匠が肝要。
 仕口:枘と枘穴の接合部

以下に参考建具・・


面材の横板は、一枚おきに枘を設け、
縦框に接合。
面材だけでも、18か所の仕口があり、
十分な強度が確保される。

椹は、建具のほかにも、
昔から蒸籠、飯櫃、桶、樽など、
人の生活の中で多用されてきた。

最近、
椹は室内のダニ防除の硬化が認められ、
室内環境にも優しい木と言える。

柔らかくて傷がつきやすいため、
開閉が頻繁な建具には不向きだが、
優しさ、安らぎを求める個室空間には、
もっと利用したい木である。

ヒノキ科に属する椹(さわら)

2018-03-10 | 建材
ヒノキ科の木であり、
樹形、木材としての表情も、
檜に大変良く似ている。
杉や檜に比べて知名度は低いが、
建具以外にも、
日常生活の道具などに、
多く使われてきた木である。



浴室、ベンチ、寿司桶などにも
使われている。

木理は通直で、仕上がり、加工性ともに良い。
耐水性に優れ、湿度の変化による、
変形量は最も少ない。

国産針葉樹の中でも、
比重が小さく、
柔らかい木である。
仕口強度およびネジ・釘などの、
金物の支持力が弱いため、
耐久性を考えた建具のデザイン、
建具金物の選定の際には、
その取り付け強度について、
考慮する必要がある。

木により、脂壺や“さる”と呼ばれる、
割裂がみられることがある。

材色は檜によく似ており、
辺材は白色~黄白色、
心材は淡い赤色~淡い黄褐色。

着色は、塗料の吸い込みムラが
起きやすいので、要注意。

産地は本州・四国・九州の各地。
木曾、千葉県が特に多い。

比  重 0.34
耐水耐湿 優
切削性  優
仕上げ  良
着  色 要注意
入  手 可
コスト  0.3

ヒノキ材の3割と、
コストパフォーマンスの良さが、
目を引く。

檜で作った格子戸

2018-03-04 | 建材
室内建具で多い格子戸。
通風と防犯にはもってこい!

和障子が付かなければ、
空間の抜けもよく、
広がりを演出できる。



檜は素木(塗装などを施していない生地の状態)のままで、
美しい木である。

檜の極めて均質で、
きめ細やかな材質は、
鉋で仕上げることで、
絹のような光沢をもつ、
木肌になる。

硬い晩材部分だけでなく、
軟らかな早材部分も、
光沢をもって仕上がるのが、
檜の特徴。

建具の意匠における、
素木の活かし方としては、
第一に障子を代表とする、
和紙との組み合わせがあり、
檜と柔らかい和紙の表情は、
相互に引き立てあう。

色、表情の違う樹種と、
対照させる手法もあるか?

杉の板目、
欅などの広葉樹を腰板、
鏡板として組み合わせる事により、
素木仕上げの檜は、
一段と映える。

ところが・・・
塗装、着色などで表面を被覆すると、
檜のきめ細やかな肌目は、
失われてしまう。

檜は‥是非素木、鉋仕上げで使いたい。
切れ味の良い鉋で仕上げられた檜は、
美しさが長持ちし、
時を経るごとに、
飴色の光沢が増して、
良い味わいとなる。

木製建具の材質を検証する・・・木の知識

2018-03-03 | 建材
木製玄関ドアを検証してきた。
ここで・・・
木の性質を、少し勉強しよう。

国産木材の優等生は・・・檜



材質は早材・晩材ともに緻密、均質で、
仕上がり、加工性に優れ、
仕口の強度も十分である。

心材は耐久性、耐朽性に富み、
室内外の建具に向く。
 *木曽檜は精油成分が少なく、屋外には不向き。

材色は・・辺材は白色~黄白色。
心材は・・淡い赤色~淡い赤褐色。

上品な色、美しい木肌が好まれ、
建具材として、安定した人気がある。
  
着色は、塗料の吸い込みムラがあり、
注意が必要。

檜は、産地により区別して取引されることが多く、
天檜(天然生の檜)の出材地は、
木曾(長野県)、飛騨(岐阜県)、
高野山(和歌山県)などが有名で、
中でも国産建具材として、
木曽檜(尾州檜)は最高級と言われている。

植林檜の産地は、
吉野(奈良県)、尾鷲(三重県)などが
知られている。

主に福島県以西で広く植林されており、
木理が通直 均一で、狂いが少ない木である。

比  重 0.41
耐水耐湿 優
切削性  優
仕上げ  優
着  色 要注意
入  手 昜
コスト  1,0  *檜を基準に比較

これを見てもかなりの優等生。
後に解るが・・・コストだけが劣等生!