二葉鍼灸療院 院長のドタバタ活動日記

私が日頃行っている活動や、日々の鍼灸臨床で感じたことなどを綴っていきたいと思います。

星稜高校野球部 冬季練習&トレーナー活動

2012年01月28日 | 高校野球
1月15日(日)、星稜高校野球部の練習を観にいきました。またトレーナー活動として足関節捻挫の治療を行いました



星稜の選手たちは元気よく、そして目的を確認しながらトレーニングに励んでいました。

みんないい感じの動きです。

トレーニング中に足関節捻挫を起こし、数日治療していた選手の仕上げの治療に室内練習場に行きました。

足関節捻挫と言って、バカにしてはいけません。成長期の足関節捻挫は軽いものであっても、発症した時の応急処置(RICE処置)とその後の適切なケアがたいへん重要となってきます。

足は人の体と地面の接点であり、体を動かすための起点でもあり、かつ、人間の身体に応じた反力いわゆる宇宙や地球の力である重力を上手く身体運動に活かすための接点でもあるのです。身体の調整には足部や足関節の骨格、あるいは靭帯や腱、関節包などの軟部組織の柔軟性や強さなどバランスが大切となるのです。

ですから、足関節捻挫を治療して痛みが引いたからと言ってすぐ運動を行ったり、痛みが改善されてきたので少し我慢してプレーしたりすると、その場は乗り切れるかもしれませんが、靭帯や腱の部分が脆弱となり再び捻挫を起こしやすかったり、疲労時に常に痛みが出るような陳旧性の痛みとなり、微妙にプレーに影響したりします。運動休止期間を我慢できずプレーしたことにより、痛みが消えないままという状態にもなります。また、その脆弱部分がネックとなり、激しいスポーツが出来なくなったりすることも考えられます。

足関節捻挫も重症度に応じて対応されますが、腫脹が目立っている、内出血がある、足をつけないくらいの痛みがある場合など、まずは整形外科にて画像検査を行うことが大切です。そこまでいかない軽度の場合でも、まず初期の固定と冷却は必須です。これをちゃんとするのと、しないのとでは治りが全く違います(炎症が広がり、腫脹が増加し、炎症反応〈治癒過程〉が長引く)。

まずRICE処置を行ったうえで、急性期の鍼治療は、受傷部位から遠位部である下腿あるいは足指に行います。その後、腫脹や炎症の状態に応じて、圧痛や足関節を少し動かし調べながら、局所を特定して患部に鍼治療を行います。腫脹が引いてきた段階では、その重症度にもよりますが、パルス治療に、超音波治療も加えて、炎症の経過を早め、早期に腫脹の軽減と新陳代謝の促進を行うことで、治癒力を増加させていきます。

その後、立位、歩行、つま先立ち、他動的運動、圧痛の状態をみながら練習に復帰させていきます。練習を休んでいる期間が長いのであれば筋力を増すリハビリを行う必要がありますし、徐々に運動に復帰することが大切です。捻挫の経過中はテーピングの力も借りながら、これも重症度によりますが、最初は、しっかり固定して、徐々に軽いものにしていきます。

ちょっと、足関節捻挫の治療方針を書かせて頂きましたが、捻挫をするということは何かそこに原因があって捻挫をするわけです。外力が大きく仕方ない場合もありますが、よく捻挫を起こす選手はその辺りを考えていかないと、体力の限界に来たときや、集中力が欠けた時に、再び捻挫を起こすことになると思うのです。

プロ選手で、どうしても出場しなくてはいけないような、生活がかかっているような場合は、少し無理をしたり、テーピングがちがちでゲームに出場することも仕方ないことですが、こと学生、成長期、それも年齢が低ければ低いほど、適切な初期対応(処置)と運動休止に時間をかけるべきだと私は思います。その捻挫のためにスポーツを続けること、一流の選手になることなど、将来を失ってはならないと思うからですね。少し大袈裟かもしれませんが。

ちょっと足関節の捻挫について書いてみました。




私もさらに、さらに、さらに、精進しながら星稜を含めた野球選手、あるいは成長期のスポーツ選手たちをサポートしていきたいと思います。

星稜の野球場へ行くと、いつも、心新たになるんですよね。
私が選手たちから教わっているんだといつも思うのです


二葉鍼灸療院 田中良和
コメント
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