今日も暑い。
緑のカーテンの朝顔は順調に伸びている。
今年はそこに夕顔も顔を見せる予定だが、まだ二階まで上がってきていない。
ネットをたどりあがってくる夕顔を眺めては「ガンバレ」と声を掛ける。
シーツやタオルケットなどを洗濯し干した。
雲が少し多くなってきたが、どうにか乾いてくれると嬉しい。
今日はアサダの命日である。
今年で13回忌になる。
アサダの居ない世界をもうそれだけ私は生きてきたのである。
アサダが亡くなったあの日を思い出す。
私はアサダの死を覚悟はしていたが、それが覚悟になっていなかったことを知った。
哀しむ前にアサダの親たちと病棟の待合場で通夜、葬式の話をした。
私は抜け殻になり、異空間にいるよう感じに包まれていた、何も手にできないという感じだった。
しかし、集まってきた友達を自然と慰めることを始めていた。
誰もが初めてアサダの居ない世界に入って来る戸惑い、哀しみ、嘆き、落胆だけが有り余るその中で、どうにもならないことを受け容れるしかない痛みを感じていた。
人を笑わすことが大好きだったアサダの死の前で。
「アサダ、今でも思うんだよ。兄さんがもっとうまくお前を天国に送ってあげることが出来たんではないかとな。告知もせずに、最後まで激しい痛みの中、頑張っているお前に周りのものたちはガンバレと言い続けるしかできなかったことを。でも、それで良かったのかな。お前は言ったな。「こんな嫌な薬を飲むのは治るためだ。そうじゃないと飲まない」と。でも、きっとお前はあの時、怖くてしょうがなくて、そう言わなければ耐えられなかっただけじゃなかったのか。お前の死にゆく恐怖を兄さんは何も背負ってあげれなかった。ごめん・・・。ずっとそう思っているんだよ。でも、お前は間違えなく言うだろう。「テツ兄、良いよ、オレはそんなこと思っていないぜ。最後までありがとう」と」
今日も何気ない一日で過ぎる。
しかし、同様にかけがえのない一日のように思える。
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