カルカッタより愛を込めて・・・。

次のアピア40のライブは6月でしたがお休みします。

救いの場所。

2008-02-20 22:43:53 | Weblog
 今朝も激しく雨が降った。雷も鳴り響いた。午前中は晴れていたが、午後になってまた雨が強く少し降った。それでも、雨上がりの夕闇がとてもキレイにあった。

 夕方、マザーハウスでSrクリスティーと少し話しをした。

 彼女からKさんの死を知らされた。ガンで2006年に亡くなったとのことだった。

 Kさんとはマザーが福者になった時の東京の教会でのミサのときに初めてあった。それ以前にメールでのやり取りを何回かしていて、彼女から、そのときに声をかけてくれた。

 彼女は自分のとのメールをしている時期に自殺を考えていたらしく、自分とのメールで自殺をすることをしなかったと話し、ほんとうにありがとうございましたと感謝の言葉を続けた。

 そのとき、彼女は幻覚、幻聴に悩まされていた。もちろん、彼女はそれがほんとうのこととして受け止めていた。

 前回のカルカッタで彼女とここで会った。
 人間不信から来る対人関係に悩み苦しんでいた。そのとき、自分には彼女の話しを聞く勇気と力が無かった。面倒だとも思っていた。逃げていたと言わざるを得ない。彼女にしっかりとした別れも言わず、自分は前回カルカッタを離れた。

 それから、彼女はよくカルカッタに来ていた。何か悩みがあると、ここに来て、ボランティアをしていた。

 そして、彼女はガンになった。もう、手のつけようもないほどガンだったらしい。彼女は亡くなる2006年にも来ていた。

 最期は彼女が日本でボランティアしていたホスピスの病院で亡くなった。

 シスターは彼女が自殺を考えていたことは知らなかった。自分は彼女がガンに侵され亡くなったことを知らなかった。

 彼女が激しく痛み苦しみぬき亡くなったことに二人で胸を痛めた。ほんとうに痛めた。

 彼女は前回このカルカッタに居たとき、いや、その前にすでに統合失調症を発病していたことは、自分は感じていた。それがゆえに逃げた自分がいたことも知っていた。

 自己の愚かさ、他人に出来ることの少なさ、人の命、人の心、自分に出来ることと出来ないことを判る知恵と勇気、、何度も何度も御堂で祈り思い返してきた。マザーにも彼女のことを話した。

 統合失調症は祈りでは治らない。しかし、彼女はマザーに救いを求めた。きっと、患者たちにも救いを求めただろう。自分を必要とする他者があることが、彼女にとっての何よりも救いとなったのだろう。そして、自己を確認できる唯一のものであったのだろう。

 ずっと自分は考えるだろう。目の前に人に対して、どうあるかを、どうありえるかを、どのような影響を与え、それはどうなるかを、その人がその人の中から生み出す生きる勇気と苦しみを乗り越えていく力を待ち、それを支えられるかどうかを、そして、自分はどんな影響を受けているかを、自分は何者かを、自分はどういうものかを、きっと会う目の前に人から教えてもらい続けていく。そのことを望む。ひたすら望む。

 バーニーとも少し前に話した。
 何か問題があると、すぐここに来てボランティアをして、その問題から逃避行するように逃げる。しかし、またもとに帰ってみると、その問題はまたそれ以上に大きくなる。そうしてしまう人が少なくは無い。

 何かよって、悩みや問題を忘れようとする。記憶まで変えてしまうときすらある。そうしてことを大いに人はする。「嫌なこと忘れてしまいなさい」もちろん、それも嘘ではないだろう。しかし、また同じ問題に出会えば、同じ反応を繰り返すのも事実だろう。いくら祈っても、いくら瞑想しても、その問題から目をそらすよりも、そこを見詰めていった方がいい、その問題を抱きしめるようにしていった方がいい、そこから学んでいった方がいい、そうしたことが心の成長に繋がるだろう。ただ、決して簡単ではない。

 もちろん、到底手に負えない問題がある場合もある。そこに居つづければ、自分が壊されてしまうようなときもあるだろう。そうしたときは、そうしたことをちゃんと判って逃げて欲しい。
 判って逃げるのと、無いものとして思い込んで逃げるとではかなり違うだろう。

 どうか、痛み苦しみと向け合える勇気を持って欲しい。そして、信じれる友を持って欲しい。助けてと言える勇気も必要だと思う。

 こうしたことを思い祈る。もっと丁寧に書きたいことだが、今は時間がない。また日本に帰ってからゆっくりと書こう。

 今日、病院では一人亡くなっていた。駅では雨にぬれた人が震えていた。

 Kさんのことを思い祈って欲しい。


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