今日のしんぶん赤旗には、「生活保護法減額訴訟 最高裁判決要旨」が載っています。少し長いのですが、何回かに分けて紹介します。
生活保護法減額訴訟 最高裁判決要旨(上)
◇裁量権の範囲の判断基準
◇ゆがみ調整
ゆがみ調整に関する厚労相の判断をみると、検証結果に統計などの客観的数値などの合理的関連性や、専門的知見との整合性に欠けるところはない。検証結果をそのまま反映させると児童のいる世帯への減額が大きくなると見込まれており、反映する際に減額率を限定することには合理性がある。検証結果の反映をを2分の1に限定したことが不合理とはいえない。
厚労相は基準部会や専門家から意見を聴取せずに2分の1の処理をしたが、生活保護法などで基準を改定するに当たり基準部会の審議を経なければならないとはされておらず、経た場合でも大法的に拘束するものではないから、2分の1処理の判断過程に過誤や欠落があったとは言えない。ゆがみ調整に関する厚労相の判断に、客観的な数値との合理的関連性や、専門的知見との関連性がや、専門的知見との整合性が欠けているとは言えない。
◇ デフレ調整
物価は変動すれば消費者の消費行動に一定の影響が及ぶと考えられるが、あくまで消費と関連付けられる諸要素の一つにすぎない。物価変動が直ちに同程度の消費水準の変動をもらたすとは言えない。物価変動は、それだけでは消費の実態をを把握するとするとして限界のある指標と言わざるをえない。物価変動効率のみを直接の指標して用いることについて、基準部会による検討を経ていないなど、合理性を基礎付けるに足りる専門的知見があるとは認められない。デフレ調整について厚労相の判断には裁量権の逸脱または乱用があり、生活保護法に違反して違法だ。