ー日本で排外主義が台頭する根源は何でしょうか。
極右・排外主義の台頭は米国、ドイツ、フランスなど世界的傾向です。参政党が掲げる「日本人ファースト」は、トランプ米大統領の「アメリカファースト」、自国第一主義に乗っかているのでしょう。
ただ、とりわけ日本の在日朝鮮人に対する差別は、挑戦を植民地支配をした時代からずっと続いてきたものです。その植民地支配を日本政府はいまだに反省も謝罪もしていない。それが日本で多民族を差別する言動を許す究極的な原因だと思います。
外国人の排除がやがて日本人を迫害して排除していくことにつながることは、歴史が証明しています。
ー1923年の関東大震災の時、「朝鮮人が暴動を起こした」「社会主義者が内乱をくわだてている」とが排外主義をあおり、朝鮮人や中国人が多数殺害され、日本人も犠牲になりました。民主主義を覆す排外主義とのたたかいについては、どう考えますか。
一つは、排外主義の危険な本質を暴き、彼らの攻撃は今、外国人に向かっているけれど、いつか日本人にも向かうということを知らせることが大事です。
もう一つは、彼らの主張が広がる背景には生活があるわけだから、もっと国民の生活に密着した問題を取り上げ、こうすればあなたの生活はよくなるという打開策を示していくことが必要です。
その点で共産党は頑張っていますが、「外国人を攻撃したってあなたの生活は良くなりませんよ」ということが分かってもらわなければなりません。外国人がいて今の生活が成り立っている日本社会の現実があるわけです。だから「外国人と仲良くやっていくことで、あなたの生活もむしろいい方に向かっていく。日本人も外国人も力を合せる社会こそメリットがある」と知らせていくことが大切だと思います。
(終わり)