今日のしんぶん赤旗には、日米関税交渉三つの重大点として、 日米関税交渉三つの重大点 【その1】文書なき「合意」文書なき「合意」、【その2】一方的に投資や輸入、【その3】恐喝システム永続化、の三つに分けて書いています。少し長くなりますが、お読みください。
日米関税交渉三つの重大点
【その1】文書なき「合意」
石破首相は25日、与野党党首会談で日米関税交渉の「合意」概要を説明しました。世界を揺るがす「トランんプ関税」。党首会談で浮き彫りになった日米交渉の三つの重大問題を検証します。
第一の問題は、「合意」といいながら合意文書が存在しないことです。こんなずさんな国家間交渉は、前代未聞です。
石破首相は23日、「トランプ大統領と合意に至った」と表明。米側に最大5500億㌦((約80兆円)を投資する一方、追加関税を当初の25%から15%に抑えたと誇りましたが、詳細な内容は明らかにしませんでした。
当事者に知らせず
ところがその直後、米ホワイトハウスが、「合意」の詳細な内容を記した「ファクトシート」を発表。①投資5500億ドルによる利益の9割が米側に配分される ②米国の武器(防衛整備品)を毎年数十億ドル追加購入 ③ボーイング機100機を購入 ④米国産米の輸入を直ちに75%拡大ーといった内容です。
赤沢亮正経済担当相は24日、帰国後記者団から「ファクトシート」について問われ驚くべき発言を行いました。「紙の形で合意しているのではない。法的拘束力ある形で署名するものではない」「(ファクトシート)は機内でざっと目を通しただけだ」。交渉当事者の赤沢氏にも何もしらせないまま、米側が一方的に発表したことになります。
米側のさじ加減
25日の党首会談で、日本政府は「米国の関税措置に関する日米協議:日米間の合意」というたった1枚の「概要」を配布。武器やボーイング機の追加購入などは一切記されておらず、米輸入拡大についても「必要な米の調達確保」するとだけしかしるさていません。
また、「ファクトシート」は日本が大豆やトウモロコシなど農産品を含む米国製品を80億㌦(約1兆2,000億円)分購入するとしていますが、「概要」には金額は記されておらず、日米間で明らかな齟齬が存在しています。
日本側は武器や航空機の追加購入について、「従来の計画を説明しただけだ」としていますが、日本共産党の田村智子委員長は会談で、すでにベセント米財務長官が、今回の合意について四半世紀ごとに精査し、トランプ大統領が不満なら関税を25%に戻すと発言していると指摘。「今回の『合意』も一方的に破棄される」危険があるとして、米側のさじ加減で、いくらでも高関税を押しつけられる仕組みになっていると警告しています。
(続く)