日米関税交渉三つの重大点
【その2】一方的な投資や輸入」
日米「関税合意」の重大問題の二つ目は、日本が一方的に奉仕する不公平な「合意」内容になっているということです。
特に深刻なのが5500億㌦(約80兆円)の対米投資支援です。米国に投資する日本企業に対し、政府系金融投資機関を通じた出資、融資、融資保証を行うというもの。米国政府は、この投資による利益の90%を米国側がとると発表しています。リスクを負うのは日本国民です。
しかも投資先は広範囲にわたります。米国政府は、▽エネルギーインフラと生産 ▽半導体製造と研究 ▽重要鉱物の採掘、加工、精製 ▽医薬品・医療機器の生産 ▽商船・軍事操船=をあげています。これだけの重要分野で対米投資に巨額資金を回せば、日本国内の産業空洞化はますます進みます。日本経済は壊れます。
農業・食品分野も大問題です。米国政府は、日本が米国産米の輸入を直ちに75%増やし、トウモロコシ、大豆、肥料、バイオエタノール、「持続可能な航空燃料」など80億㌦(約1兆2000億円)の米国製品を購入することで合意したと発表しています。日本の食の安全を破壊するものです。
大軍拡による暮らしの破壊も進みます。米国政府は、日本が「米国製防衛整備品の年間数十億㌦(数千憶円以上)もの「追加購入」は、すでに決定している防衛力整備計画に基づく当面の防衛整備品に関わる考え方を説明した(24日、林芳正官房長官の記者会見)という弁明では説明がつきません。