生産緑地制度とは何か?
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昨年12月議会で、「生産緑地の質問」が出ました。(市議会だより74号から抜粋)
問 約45年前から市街化区域農地は周辺農地に比べ、約20倍の固定資産税を課せられて困っている。市内の実態、生産緑地の県内事例を知りたい。人口も減少しており、この解決のため、生産緑地制度を導入すべきと考えるがいかがか。
答 導入市町村は、常陸太田市など9市町、市内の市街化区域農地は、35地区で116㌶です。今後、都市計画の情報収集に努め、検討していきます。
なお、常陸太田市を除く8市町が近郊整備地帯に属しています。
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この文章を読んでおかしいことに気づきませんか。そうです、生産緑地がある市町は、「取手市など9市町」と書くべきところ、書き手は、常陸太田市を強調したかったようです。
茨城県のデータで、生産緑地がある9市町を広い順に並べます。
➀取手市29・3㌶
➁坂東市12・5
③常総市8・9
④牛久市7・5
⑤五霞町7・4
⑥常陸太田市7・5
⑦龍ヶ崎市 6・6
⑧守谷市2・9
⑨つくばみらい市 2・2
計84・7
生産緑地とは
市街化区域内の一定規模以上のまとまりのある農地は、緑地及び自然の調整であり、良好な景観の形成・減災の機能などを兼ね備え、潤いと安らぎのある良好な市街地の環境の形成及び保持に寄与するものとして、その公共性から都市計画に定めるものです。
注)「ただ税金をやすくする」という目的だけでは、生産緑地にはなれません。
生産緑地のメリット・デメリット
メリット
●固定資産税が軽減される
デメリット
●30年間農業の継続が生じる
●農業以外の利用ができなくなる
●生産緑地の指定を解除するのが難しくなる
●行為が制限される
市街化区域農地の固定資産課税手順
①宅地並み評価
その土地が宅地であるとした場合の価額から造成する額を差し引いて決定します。これを「宅地並み評価」いいます。
(市街化調整区域の農地が宅地に転用する際に許可が必要となっていることに対して、市街化区域は転用が届け出制になっているためで、建築物を建築するにあたってハードルが低いため)
➁課税標準の特例措置
市街化区域内に所在する農地(生産緑地内の農地は除く)については、税負担を減額するための課税標準の特例措置が設けられています。
同じ市街化区域内の農地でも、場所や農地の形状によって評価が違います。
その評価に「係数」をかけて、課税額をきめます。同じ桜川市内でも、場所によって、大きく課税額が変ってきます。
➂生産緑地の課税
生産緑地の指定を受けると「宅地並み評価」ではなく、売買事例価格による「農地評価」をすることになるので、固定資産税が軽減されます。
注)農地への課税は、「市街化区域の固定資産税は一般農地の約20倍」という括り表現で書けるほど簡単ではありません。はるかに複雑なのです。